「八名川まつり」っていうイベントがあるんだけれど、学校の外から人にきてもらって、そこでプレゼンをやるんですね。これは、全校でね。世界にも伝えたければ通訳を連れてきたら良いよねとか、いろんな発想がでてきます。ユネスコとNHKの協力で世界に発信したりもできるんですね。
子どもは、聞いてくれる人がいると、ちゃんと説明するんですよ。お母さんに向けて、幼稚園児に向けて、相手を変えて何度でもやります。相手を変えて何度も語ることは、子どもにとって深い学びになるんです。こういうことが、下の図の「他者に教える」にあたる活動で、とても価値ある学び方なのです。
このような学びのある学校で6年生まで育つと、「自分はこの先どうやって生きていこうか、どういう力を身につけていこうか」と考えたり、発表したりするようになるのです。子どもたちは毎年、先輩たちの学びを憧れとしてとらえ、3年生になったらこうなりたいっていう風に考える。そして、自然に先輩たちを乗り越えて育っていくんです。先生が、毎年同じことをただ教えていくだけじゃない。これがあるべき教育の姿で、カリキュラム・マネジメントの真髄なんです。新しい時代の教育はこうしなくちゃならない。
子どもたちだけじゃないんですね。経済産業省の人とか、近畿のコンソーシアムで活躍する人、つながりのある仲間の大人の人たちも学校にきてくれます。そういう環境の中で、八名川の先生たちは自分たちもバージョンアップをしているんです。
日本においても世界においても、持続可能な社会を実現するには各主体がつながった取り組みが大事です。そのためには、組織全体での取り組みをやっていきましょう。そういう体験をして先生になった人はほとんどいないからまだまだ難しいかもしれないけれど、その壁を崩していくことが大事なんです。
以上が私の授業でした。八名川小学校のホームページにも指導案などの資料がでていますので参考にしてみてくださいね。