各界の第一人者をゲストに招き、「エコロジー」と「エネルギー」について学び合うエコ×エネ・カフェが、2018年5月22日(火)に開催されました。
エコ×エネ・カフェは「エコロジーとエネルギーのバランスのとれた社会の実現」を目指し、ゲストの話をキッカケに気軽で真面目な対話を楽しみながら学び合うJ-POWERの社会貢献活動プログラムです。2009年から始まり、今年で10年目を迎えました。
28回目の開催となる今回のテーマは「SDGs」です。SDGsに対して、日本ではどのような取り組みがなされているのでしょうか?一般社団法人 日本経済団体連合会 教育・CSR本部統括主幹の長澤 恵美子さんをゲストとしてお招きし、わかりやすく解説していただきました。
【目次】
①:ゲスト紹介
②:世界が注目するSDGsとは
③:日本のSDGsへの取り組み
④:SDGsとSociety 5.0
⑤:SDGsとローカルアクション
⑥:社会が次の段階へ進むために
⑦:脱炭素社会とSDGs
長澤 恵美子(ながさわ えみこ)氏
一般社団法人 日本経済団体連合会 教育・CSR本部統括主幹
開催にあたり、まずは主催のJ-POWER(電源開発株式会社)の藤木専任部長よりご挨拶をいただきました。
藤木 勇光(ふじき ゆうこう)
J-POWER(電源開発株式会社)秘書広報部 専任部長
藤木さん(以下、藤木):J-POWER(電源開発株式会社)は、戦後復興と経済成長で急速に増えた電力需要に応えるために、国策企業として1952年に設立、2004年に民営化しました。全国に発電所を持ち、日本で消費される電力の約6%を発電しています。1998年に策定した企業理念「エネルギーと環境の共生」の実現を目指して、2007年から「エコ×エネ体験プロジェクト」を社会貢献事業として展開しています。今年で10年目の節目を迎える「エコ×エネ・カフェ」は社会人と学生がフラットに話し合う「身近なつながりの場」という位置付けで開催しています。今回のテーマは「SDGs」です。国際目標であるSDGsに対して、日本ではどのような取り組みがなされているのでしょうか?私たちの暮らしに欠かすことのできないエコとエネ、双方のバランスがとれた社会のつくり方を、皆さんと一緒に考えていけたらと思います。
ファシリテーターのBe Nature School 森さん
森さん(以下、森):まず自己紹介をお願いします。
長澤さん(以下、長澤):日本経済団体連合会 教育・CSR本部統括主幹の長澤です。長い肩書きですが、6月から部署の名前が「SDGs本部」になります。
広島原爆祈念日の8月6日生まれなので、子どもの頃から誕生日には平和について考えてきました。学生時代はずっと障害者施設でボランティアをしていましたが、そこの施設長から「外から新しい風を吹き込む存在であれ」と言われ、福祉の道に進まず経団連に入りました。本当は企業に入りたかったのですが、面接で「企業の社会的責任が大事だと思います」と言ったら「あなたみたいな人はいらない」と言われてしまって(笑)。当時は「日本を変えてやる」という意気込みでした。
森:今もそう思っていますか?
長澤:私が勤めている間にずいぶん変わったと思います。短大卒で経団連に入り、休職し留学して大学の学位を取ったのですが、その間に一般職から総合職に乗り換える仕組みを先輩たちがつくっていてくれたんです。
森:経団連という名前は有名ですが、そもそも何の団体なのですか?
長澤:簡単に言えば、もともとは、さまざまな業界の声をワンボイスにしてGHQに届けるためにつくられました。現在1538社・団体が会員で、有名な企業はだいたい会員です。J-POWERさんもそうですね。