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地熱発電と地域の幸せな関係とは?~地熱発電と地域活性~
― 第25回エコ×エネ・カフェ(前編)

  • 2017年7月6日
  • 緑のgoo編集部
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各界の第一人者をゲストに招き、「エコロジー」と「エネルギー」について学び合うエコ×エネ・カフェが、2017年6月21日(水)に開催されました。25回目の開催となる今回のテーマは「地熱発電と地域の幸せな関係とは?」についてです。地熱発電の普及は、地域の暮らしにどのような影響を与えるのでしょうか。岩手県八幡平市役所 企画財政課 地域戦略係長の関貴之さんをゲストとしてお招きし、わかりやすく解説していただきました。

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関 貴之(せき たかゆき)氏
岩手県八幡平市役所 企画財政課 地域戦略係長

エコロジーとエネルギーの両立する社会を目指して

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藤木 勇光(ふじき ゆうこう)
J-POWER(電源開発株式会社)秘書広報部 専任部長


開催にあたり、まずは主催のJ-POWER(電源開発株式会社)の藤木専任部長よりご挨拶をいただきました。

藤木さん(以下、藤木):J-POWER(電源開発株式会社)は、戦後復興と経済成長で急速に増えた電力需要に応えるために、国策企業として1952年に設立、2004年に民営化しました。全国に発電所を持ち、日本で消費される電力の約6%を発電しています。1998年に策定した企業理念「エネルギーと環境の共生」の実現を目指して、2009年から「エコ×エネ体験プロジェクト」を社会貢献事業として展開しています。今年で9年目を迎えた「エコ×エネ・カフェ」は社会人と学生がフラットに話し合う「身近なつながりの場」という位置付けで開催しています。今回は初めて地熱を扱います。エネルギー資源を使って地域の未来をどう描くのか、私たちの暮らしに欠かすことのできないエコとエネ、双方のバランスがとれた社会のつくり方を、皆さんと一緒に考えていけたらと思います。

注目される「八幡平市」とは?

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ファシリテーターを務めた Be Nature Schoolの森さん

森さん(以下、森): 自己紹介を兼ねて、八幡平市について教えてください。
関さん(以下、関):北東北三県の真ん中に位置する八幡平市は、平成の大合併でできた市です。元は、地熱と縁が深い松尾村と、西根町、安代町の3町村でした。人工密度が31.17人/km2とかなり低く、豊かな自然と水や空気がおいしいのが自慢です。

八幡平 goo地図

森:キャッチフレーズが「農(みのり)と輝(ひかり)の大地」なんですね。
関:「農(みのり)」は農業を指しています。りんどうの生産量は日本一で、八幡平市独自の品種が切り花と鉢物併せて28あります。その他の農産品も、個人的においしさは日本一だと思っています(笑)。

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森:後でお話が出てきますが、地熱と関係のある農産品もあるんですよね。今日はお土産も持ってきていただきました。試飲をご用意いただいています。

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関:山ぶどうの原液のジュースを持ってきました。少ないロットで生産していて、八幡平市に来ていただかないと買えないレアものです。原液でとても濃いので割って飲みます。大人は焼酎の割りものに、子どもはハチミツを入れてホットにしたりで、僕もこれを飲んで育ちました。

市役所と再生可能エネルギー

森:関さんが属していらっしゃる八幡平市役所の企画財政課地域戦略係とは、具体的にはどんなことをしているのですか?
関:いわゆる企画と財政を担当する部署の中の地方創生に特化して担当する係です。移住定住やふるさと納税、地熱をはじめとした再生可能エネルギーもこの係の仕事です。
森:では早速、八幡平市にある松川地熱発電所のお話を聞かせてください。
関:2016年10月に50周年を迎えた、日本で初めての商業用の地熱発電所です。近くに民家のない山の中にあって、出力は2万3500kW、これは6~7000世帯相当分です。発電事業者は東北自然エネルギー株式会社という東北電力の子会社で、できた電気は東北電力が買っています。

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