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地熱発電と地域の幸せな関係とは?~地熱発電と地域活性~
― 第25回エコ×エネ・カフェ(前編)

  • 2017年7月6日
  • 緑のgoo編集部

八幡平市が抱える課題

森:八幡平市の地熱発電にも課題や問題はあるのでしょうか?
関:地域活性化という観点からは、そもそも過疎地で人口減少の問題に加えて、観光客の減少という問題があります。別荘地を売り出してはいますが、何十年も経つと新規の買い手が少なくなります。また、農業の担い手の高齢化や人手不足もあります。昭和60年には農家人口が2万人だったのが、平成22年には半減しています。

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関:近々の課題ですと、発電所からの熱水を運ぶ管の老朽化です。管の中にスケールという温泉成分のかたまりがこびりついてしまって、中を通る湯量がかなり少なくなってきています。管を取り替えるのには約15億円の費用が必要との試算がありますし、またお湯を使う人も減ってきていて給湯事業の経営が厳しいのも現実です。

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関:ほかに、今、新しい発電施設の建設が計画されているのですが、自然景観の美しい八幡平市としては、自然景観との調和の問題があると思います。建設予定地はもちろん国立公園の外ですし、元々スキー場のホテルがあった跡地ですが、市としては地熱への理解が深まるようなデザインに配慮するよう要望しています。

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地域を活かした再生可能エネルギー

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森:様々な問題を抱えつつも、八幡平市としては地熱などの再生可能エネルギーを推進したいということですよね。
関:地熱に限らず、再生可能エネルギーはできる限り活用したいと考えています。

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関:豪雪地帯なので、雪冷房を使ってりんどうの育苗をしたり、森林が多いので木質バイオマス(バイオマス:https://www.goo.ne.jp/green/business/word/energy/S00092.html)、その他に地中熱ヒートポンプ(地中熱利用:https://www.goo.ne.jp/green/business/word/energy/S00364.html)や、小規模ですが街路灯に太陽光や風力も使っています。田んぼに水を引く水路を利用して何かできないかということで、市がつくった小水力発電施設もあります。発電量は多くありませんが、水が落ちてタービンを回して発電するという目に見える形にすることで、環境学習に活かせるようにという意図もあります。
森:さらに、新たに2つの地熱発電所の計画もあるんですね。
関:はい。松川地熱発電所の北側に計画していて、1つはもう建設に入っています。
森:この2つの発電所の計画には市はどう関わっているのですか。
関:発電事業に市が資本参加しているわけではありません。あえて言えば、大きな声で応援はしています(笑)雇用への期待があり、調査時から全面的に協力しています。

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