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地熱発電と地域の幸せな関係とは?~地熱発電と地域活性~
― 第25回エコ×エネ・カフェ(前編)

  • 2017年7月6日
  • 緑のgoo編集部

「地熱のまち」で地域活性化を


森:発電所があると、税収が入るなどの直接的なメリットはあるんですか?
関:直接的なメリットもさることながら、二次的な効果を期待しています。そういう意味でも去年「八幡平市・地熱を活かしたまちづくりビジョン」をまとめました。元々、地熱発電所があって栄えた地域ですので、多岐にわたる分野で地熱を活用し、もう一度地域活性につなげられないかと考えました。
森:地熱エネルギーで観光から教育までやっちゃおうということですね。ここまで地熱に頼りきって大丈夫なんですか?八幡平市民の意識が気になります。
関:合併でできた市なので、松川地熱発電所があった旧松尾村では、地熱の知識や理解がありますが、それ以外の地域はどうしても意識が薄いというのが現状です。そこについても理解を促したいと思っています。そのためには、今まで関わってこなかった人たちも巻き込んで、みんなで一緒に地域づくりを考えていきたいと思います。

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関:地熱以外にも、八幡平市は「生涯活躍のまち」を掲げ、いつまでも楽しく住み続けて欲しいという目標があります。ふるさと納税の返礼品も始めました、ようやくですが(笑)今後、先ほど登場した地場でしか買えない山ぶどうジュースなど、魅力的な返礼品がたくさん登場する予定なので、ぜひ注目してください!

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地熱発電と地域の幸せな関係のために


森:八幡平市には他の自治体から地熱の視察が来ると思います、他の自治体へのアドバイスはありますか?
関:八幡平市は、発電所が先にあってひとつの温泉郷ができたという特殊な場所です。他のところは温泉が先にあって、温泉事業者の理解が得られないことが問題になっていますよね。そういう意味では参考になりにくい部分もありますが、個人的には「地熱発電の必要性」について広い視野での理解が広がっていくことが重要だと思います。そのためにも、八幡平市の取り組みが実を結ぶことが地熱発電への理解促進につながると思っています。

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森:J-POWERの藤木さん、発電事業者からご意見をお願いします。
藤木:鉱山の閉山という大きな変化があり、温泉でその部分の雇用を吸収しようとしたら、蒸気が出た。当時の村長の発想で蒸気を生かして発電し、そこから温泉もできた。それから半世紀以上の年月を経た今、八幡平市には人口減少などの問題もあるけれども、地域の資源を生かして再びビジョンを描き始めた、ということですよね。
関:地方創生は「地域にあるものを活かして何ができるか」だと思うので、他の自治体にない地熱を活かさない手はないと思っています。
藤木:そういう中で、ビジョンを動かして実現するのに一番大事なことは何でしょうか。関さんの思いやご意見をお聞かせください。
関:何かをやろうと思うと、人のパワーが大きな要因になります。八幡平市には別荘地があるので移住者も多いんです。先ほど話した馬糞堆肥とマッシュルーム栽培もそうですが、移住してきた方々が地元の方と力を合わせてやっていくことでいろいろ波及しますし、違う立場の方々の発想も大事だと思います。
藤木:「地域おこしには“よそ者”が大事」という話はよく聞きますよね。地域の発想とは、全く違った発想を持ち込んでくれる人が重要だということですね。

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森:関さんは、ずっと八幡平育ちなんですか?
関:はい。しかしながら、合併してできた市なので、同じ八幡平市の中でも市庁舎まで45km通勤しています。松川地熱発電所も山ひとつ隔てていて遠いので、個人的には地熱となじみが深いという感覚は、まだあまりありません。仕事で携わって、八幡平市と地熱の歴史を知ってどんどん身近になってきている途中にいるのかなと思います。地元民のひとりとして、地熱を活かした取り組みを知ってもらいたいと思います。
森:八幡平市はとても特徴的な場所ですよね。
関:地熱を活かしてまちづくりをしている八幡平市は、とても魅力的で特徴的な場所だと思います。環境学習にもぴったりですので、全国の皆さんに来て欲しいです!

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