自転車専門店「グリーンサイクルエム」が、ひたちなか市から那珂市菅谷に移転オープンして2カ月がたった。(水戸経済新聞)
店内に並ぶ自転車
店主の峯岸行生さんは水戸市出身。中学1年の時に趣味で自転車を始め、高校では山岳部で山登り、大学ではスキーを始めるなど、「自然の中で遊ぶのが大好きだった」という。アウトドア店のオープニングスタッフとして勤務後、本社で仕入れの仕事を経験。サラリーマン時代にも趣味で自転車を楽しみ、ひたちなか市内にあった自転車店「グリーンサイクルさいと」に通っていた。その後、ホームセンターの部署に異動になったが、2009(平成21)年、峯岸さんが47歳の時、「グリーンサイクルさいと」の先代社長から「うちの店で働いてみないか」と誘われたという。
「いずれは自転車屋さんでもやろうかな、とはぼんやり考えていたが、風の吹くまま過ごしてきたので、好きなことをやって、なんとかなれば一番いいなという軽いノリだった」と峯岸さん。
自転車店で働き始め8年目を迎えた2016(平成28)年、先代社長が体調を崩した際に「バトンタッチする」と告げられ、1カ月半後に第三者継承。2017(平成29)年に同店の経営者になった。
数年前から店舗物件を探していたという峯岸さんは昨年末、那珂市の現在の場所に決め、3月1日に店名を前店の「さいと」から、「峯岸」の「M」をとって「グリーンサイクル『エム』」とした。
店舗では、ロードバイク、クロスバイク、折りたたみ自転車をはじめ、「トーキョーバイク」のシングルギアの自転車やクラシカルな鉄フレームのロードバイクなども取り扱う。乗り心地を実感してもらうため、カーボンホイール「MAVIC(マヴィック)コスミックS42」の試着・試乗サービスも始めた。
峯岸さんは、自身のキャッチコピーを「日本最遅店長」としている。自転車専門誌の「日本最速店長」から着想を得たという。「子どものころからの自転車の乗り方は『旅』がキーワード。急いで走るのが向かない性格で、風の吹くまま気の向くままに走り、景色を眺めるスタイル」と笑顔を見せる。自身が組み立てた自転車を使った選手が全日本選手権個人タイム・トライアル・ロード・レース大会で優勝するなど、「日本最遅店長が作る最速マシンが隠れたキャッチコピー」とも。
峯岸さんは「特に力を入れている客層はなく、近所の人や学生、誰でもウエルカム。スポーツバイクだけでなく、ママチャリや通学用自転車、どこで購入された自転車でも修理を引き受ける。この店を社会的な肩書に関係なく、誰でも親しく話せる場所にしたい」と意気込む。
営業時間は10時~19時。水曜定休。