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第43回エコ×エネ・カフェ『「激甚化する自然災害に備える」命をまもり、地域と災害と、どう向き合うか』

  • 2023年10月20日
  • 緑のgoo編集部

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2023年9月28日(木)に、第43回エコ×エネ・カフェ『「激甚化する自然災害に備える」命をまもり、地域と災害と、どう向き合うか』をオンラインで開催しました。

今回のテーマは、エコロジーやエネルギーとの直接的な関係性についてイメージしづらいかもしれません。しかしJ-POWER(電源開発株式会社)の事業は地域の方々の理解がないと成り立ちません。

そこで、地域社会の一員でもあるエネルギー企業として自然災害とどう向き合い、防災・減災に向けて何ができるのかについて皆さまと一緒に考えていきたいという思いから、気象予報士・防災士の早田蛍さんをゲストに迎え、Be-Nature School代表森雅浩さんのファシリテーションを通じて、みんなで防災について考えました。

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(上)
森 雅浩(もり まさひろ)氏
有限会社ビーネイチャー 代表取締役
Be-Nature School 代表

(下)
早田 蛍(はやた ほたる)氏
気象予報士・防災士

【目次】
 ①:エコロジーとエネルギーの両立する社会を目指して
 ②:ハザードマップは被害の予告
 ③:ぺちゃくちゃタイム
 ④:クロージング

エコロジーとエネルギーの両立する社会を目指して

開催にあたり、まずはJ-POWER(電源開発株式会社)の山本有希さんよりご挨拶をいただきました。

山本さん(以下、山本):
J-POWER(電源開発株式会社)は、戦後の電力需要に応えるため1952年に設立され、北海道から沖縄まで日本全国、さらに海外でも発電事業を展開しています。

企業理念の下、エネルギーとエコロジーを相反する存在ではなくどちらも大切にする心と技術を育てることが必要だと考え「エコ×エネ・カフェ」を開催しています。リラックスしてご参加になり、対話を楽しみながら、自分ごととして学ぶ時間をお楽しみください。

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J-POWER(電源開発株式会社)広報部 山本 有希(やまもと ゆき)氏

気候変動と気象災害

森さん(以下、森):
始める前に、簡単な意識調査をしたいと思います。

問1:あなたと災害の関係を教えてください。

1: 自分や家族が被災した
2: 知り合い、親戚が被災した
3: すぐ近くで災害が起きた
4: 被災・災害経験なし

参加者の声としては「知り合い、親戚が被災した」が一番多く、次いで「すぐ近くで災害が起きた」となりました。


問2:防災に関して何かしていますか?(複数選択)

1: 地域のハザードマップを確認する
2: 家族と避難場所や連絡方法を確認する
3: 非常食 非常時グッズを完備する
4: 応急処置のトレーニングを受ける

こちらは「地域のハザードマップを確認する」が約8割、「非常食 非常時グッズを完備する」約6割、「家族と避難場所や連絡方法を確認する」が約5割、「応急処置のトレーニングを受ける」が約3割という回答でした。


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森:
それでは早速、ゲストの早田さんにご登場いただきましょう。まずは自己紹介からお願いします。

早田さん(以下、早田):
熊本県で気象予報士と防災士の活動をしています。気象予報士というと「お天気キャスター」を想像されるかと思いますが、私は地域や学校で気象や防災のお話をする仕事をしています。子どもが3人いて、仕事の方に安らぎを感じるくらい、にぎやかな毎日を送っています。

令和2年7月の豪雨で大きな被害を受けた熊本県八代市坂本町で生まれ育ち、小さい頃から毎年のように球磨川があふれ、道路が冠水したり山崩れが起きたりするのを見て育ちました。地域の人たちは災害に慣れてしまったような感じがありますが、年々大きくなる被害を目の当たりにすると、いつか人が亡くなるくらいの大きな災害が起こるのかな…と不安になりました。

自分で天気を予想して被害を防ぎたいと思ったことがきっかけで、11年前に資格を取りました。

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早田:
しかし、気象予報だけでは限界があることに気づきました。平成30年7月の西日本豪雨は、九州から長野県の広範囲で大雨があり230名を超える被害者が出て、平成最大の大雨災害による人的被害になりました。

平成30年と平成元年と比べると予報技術は格段に上がっています。さらに気象庁などの情報発信をスマホ等ですぐに見られる環境になったにもかかわらず、避難につながらずに大きな被害が出てしまいました。

どんなに情報技術が発達してもそれが伝わらなければ意味がないと感じ、情報をしっかり活用してもらうために一人ひとりとお話をしに行きたいと思い、現在の活動をしています。

森:
では早速本題に入っていきたいと思います。まず、地球温暖化の気候への影響について教えてください。

早田:
日本の平均気温は右肩上がりで上昇していて、大雨の発生回数も増えています。「非常に激しい雨」 と言われる災害を引き起こすような雨の発生回数は、10年あたり20回と急激に増えています。一方で、降水日数は減少しているんです。これはなぜでしょうか?

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早田:
空気中の水蒸気量は気温が高くなるにつれて増えます。
気温1℃の上昇で空気中に含まれる水蒸気量が7%増加します。日本庭園にある「ししおどし」に例えるとわかりやすいと思います。

気温が高くなることは、ししおどしの筒が大きくなるということで、たくさんの水が溜められます。その分溜まるまでに時間がかかるので、 雨が降らない時期が長くなるのです。代わりに、降る時は一気に降ります。今後温暖化による影響で雨の降り方が極端になるだろうと言われています。

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