南の海上は年間を通して暖かく、冬や春も台風が発生することは珍しくありませんが、今年に入ってから、まだ台風は発生していません。ただ、台風の発生が遅くても油断は禁物です。
トップの表は、ここ10年の台風の発生数と平年の発生数です。台風の発生数は夏から秋にピークを迎えますが、南の海上は年間を通して暖かく、冬や春も台風が発生することは珍しくありません。2019年や2018年は1月に台風1号が発生しています。
ただ、今年はまだ台風は発生していません。4月までに台風が発生していないのは、2024年もですが、その前は2020年で、近年では4月までに台風が発生しないのは珍しい現象ではないようにも見えます。今年は、目先、南の海上ですぐに台風が発生することはなさそうです。
台風の発生が遅いからといって、油断はできません。
1月から4月まで発生のなかった2024年の年間発生数は26個で平年(25.1個)をやや上回りました。全国への接近数は11個と平年(11.7個)とほぼ同じでした。そのうち台風10号は非常に強い勢力で奄美地方や九州南部に接近したあと、8月29日には強い勢力で鹿児島県薩摩川内市付近に上陸。上陸後は、遅い速度で九州北部地方や四国地方を通って東海道沖へ進みました。西日本から東日本の太平洋側を中心に記録的な大雨となり、土砂災害、河川の増水や氾濫、低地の浸水による被害が発生しました。台風が非常に強い勢力で接近したため、鹿児島県(奄美地方を除く)の市町村に一時、暴風、波浪、高潮の特別警報が発表されました。
また、2016年は6月まで台風が1個も発生しませんでしたが、7月以降、急増し、平年をやや上回る発生数となりました。
このように、台風の発生が遅いからといって、年間の発生数が少なくなるわけではありません。勢力が非常に強かったり、大型の台風が接近、上陸する可能性もあります。
まだ台風シーズンは先ですが、今年も夏から秋を中心に台風が列島に影響を与える可能性があります。台風が接近、上陸すると予想される場合には早めの対策を心がけるようにして下さい。