最後のラウンドでは最初のテーブルに戻り、元のメンバーと一緒に対話を深めていきます。
「まだまだ知らないことも多いし、十分な対話ができていないような気がする。もっとこういうことを話し合う場所をつくることが大切だと思う」「自分と違う考え方を持った人たちと積極的に対話する機会を持つことが大切。エネルギーのことに限定したことではなく、そもそもにおいていろいろな意見の人が共存できるような社会になっていかないと駄目なんじゃないかな」という学生たちの意見。
「こういう場があっても社会人には時間の制限もありますし、来られる人は限られていると思います。関心があっても踏み出せないでいる人たちをどう巻き込んでいくかが常に課題になりますよね。そこに取り組まないと、問題意識の差がどんどん開いていってしまうと思います」という社会人男性。「何かがおかしい、と思っても、行動する人と行動を変えない人がいる。変化を促すためにもコミュニケーションや対話を日常的に持つことは大切だと思います」という意見の他、「エネルギーとかエコロジーの問題は私たちの生活そのものに関わることなので『どう生きていきたいか』という問い立てをして集まればもっと多くの人たちが集まるのではないでしょうか」という提案も出ました。
一方で、本当に大切なことを議論するための社会基盤が日本には整っていないという指摘もありました。「教育制度が追いついていないように思います。これからはもっと『一人ひとりが考えていく』ということが必要になる時代になると思うので、一方的に教えてもらうのではなく、双方向で考え学び合うという文化が育っていかないと状況は改善されないと思います」「今は『何ができるかを考えろ』と言われても考える上で必要な十分な選択肢が示されていない気がします。全体像をもっと見せた上で、幅広い議論ができるようなしくみがないと、本当の意味での議論が成熟しないのではないでしょうか」。
「エネルギーに関しては供給側に任せっきりという体質が身に付いてしまっています。これからは『需要側の意識改革』というものが必要なのではないかと思います」。今日のゲストトークを受け、需要サイドにできることを考えることこそが一人ひとりが大切にするべき点だという意見もありました。
震災を経て、変わったもの、変わらないものは何か。これからのエネルギーの未来はどのようにあるべきなのか。企業でCSRに関わっているという女性は、「震災以降気持ちの中に悶々と抱えていた想いを今回のカフェでようやく吐き出すことが出来ました」と話していました。「十分に議論し尽くすには時間がいくらあっても足りないですが、批判や評論を超えて、本音で話せる場所が欲しいと思っていたのです」という意見に、同じテーブルのメンバーが深く頷いていました。