「あの日、皆さんはどこで何をしていましたか?」。多くのテーブルで、当時を振り返ることから対話がスタートしました。
「輪番停電などもあって、できるだけ節電しよう、みんなでなんとかしようという意識が高まりました」「余震や停電の影響を受けた地域とそうでない地域では意識に違いがあると感じました。関東地方では節電の意識が高まったようですが、関西など、西の方の影響を受けなかった地域ではあまり変わらなかったと聞いています」「今となってはもう、コンビニなどの店舗の明かりも震災前に戻ってしまった。時間がたって、電気があることが当たり前という今までの感覚に戻ってきてしまっているのではないでしょうか。豊かさは何か、見つめ直したはずだったのに・・・」。
震災後、心をとらえたものとして「意識の変化」が上げられました。
女子学生の一人は「小さな町工場では、もともと経営が厳しかったところに電力の安定供給がなくなったことが打撃となり、倒産してしまったところもあるとニュースで知りました。いろいろな人たちが影響を受けているということを改めて感じました」という話を共有していました。
「震災後、テレビやソーシャルメディアなどでたくさん情報が出るようになり、自分も前より注意してみるようになりました。政府や電力会社の発信する情報も鵜呑みにしないで『本当かな』と考えるようになりました」「メディアの伝える情報に公平性が欠けていたのではないかと思います。情報発信者の役割は大きいです」「情報を発信する側には責任も伴うと思います。素人が意見を言い過ぎることにも問題があるのと思いました」と、メディアや情報発信に関する意見もありました。
「世界規模の問題として、エネルギー対策をどう考えるかの視点も必要だと思います。気候変動についての政策議論もあまりうまくいっていませんし、国内資源をどう使って行くかという議論が十分になされていないのではないでしょうか」「日本ならではのエネルギーの自給方法もあるのではないかと考えるようになりました。地熱発電などといった自然エネルギーのポテンシャルについてもっと研究が進むべきだと思います」。政策の枠組みや国家戦略についても、より近い話題として感じるようになったという意見もありました。