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「国連環境開発会議(地球サミット)」 詳細解説

読み:
こくさいかんきょうかいはつかいぎ
英名:
United Nations Conference on Environment and Development (UNCED)

1992年6月にブラジルのリオデジャネイロで開かれた国連環境開発会議(略称:UNCED、通称:地球サミット)は、環境分野における記念碑的な国際会議だ。環境について話し合う大規模な国際会議としては、1972年にスウェーデンのストックホルムで行われ「人間環境宣言」が採択された国連環境会議(ストックホルム会議)があった。しかし、ストックホルム会議以降、先進国が環境保全に努めるようになった一方で、多くの開発途上国は早期の発展と貧困からの脱出を求めて開発にいっそう力を入れ、自然破壊などの環境問題が深刻化した。その結果、先進国と途上国の対立も招いた。

こうした状況を打開するために1980年代になり提唱されたのが、持続可能な開発という概念だ。環境への対応と開発とは共存し得るもので、環境を重視しながら開発を行うべきであるとするこの考え方は先進国と途上国の双方から評価され、国連持続可能な開発委員会(CSD)などで議論が深められた。地球サミットは、このような持続可能な開発の理念を再確認するとともに、世界全体で環境への取り組みを進めていくための道筋を示す機会となった。世界の約180カ国とEC(欧州共同体)などが参加し、100カ国もの国家元首や首脳のほか、約1万人の政府代表団が出席した。また、世界中からNGONPOやジャーナリストが集まった。

地球サミットでは、生物多様性の危機や森林破壊地球温暖化、化学物質問題など、多くの地球環境問題がとりあげられ、その成果として文書が採択された。そのひとつである「環境と開発に関するリオ宣言(リオ宣言)」は、環境と開発の一体性を地球的規模で保つことについて国際的合意を得ることと、地球の不可分性や相互依存性の重要性を再認識したうえで、27項目にわたる宣言を掲げている。環境保護が開発と切り離せない関係をもつこと、貧困撲滅と途上国対策、生態系保全の重要性、各国における環境法の制定、環境貿易、汚染者負担の原則(PPP)、環境アセスメントの実施、戦争や紛争の解決などだ。

そして、リオ宣言に盛り込まれた原則を踏まえて、各国政府をはじめとするあらゆる主体が持続可能な開発と環境保全に取り組むうえでの行動計画として採択されたのが「持続可能な開発のための人類の行動計画(アジェンダ21)」だ。「21世紀への課題」を意味するこの名称には、人類が21世紀に向けて持続可能な開発を実現していくという強い思いが込められている。アジェンダ21は、「社会的・経済的側面」、「開発資源の保護と管理」、「主たるグループの役割強化」、「実施手段」の4部から成り、環境問題を解決する40項目に及ぶプログラムを示している。

また、いくつかの重要な条約が採択された。温暖化防止については、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の署名が開始された。また、生物多様性を守るための生物多様性条約が採択された。一方、地球サミットで企業による環境への取り組みの重要性が再確認されたことは、その後のISO14000シリーズをはじめとする環境マネジメントシステムの構築へとつながった。地球サミットから10年後の2002年には、持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)が南アフリカのヨハネスブルグで開かれた。また、20年目となる2012年6月に、再びリオで環境の国際会議である「リオ+20」が行われる予定だ。

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