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外来生物 ~社会を揺るがすアリとあらゆる問題~

  • 2017年8月7日
  • NACS-J

連日、ヒアリを巡るニュースがメディアを賑わせています。アナフィラキシーショックを引き起こす毒をもつこの南米原産のアリが、東アジアから輸入されてきたコンテナにくっついて日本に入ってきたというニュースです。神戸港での発見を皮切りに、名古屋、東京、福岡など主要な港で次々と発見されています。
ヒアリほどではありませんでしたが、海外から珍しいペットとして輸入され、飼育できなくなったため野外に放されたカミツキガメが、日本の池や湖で繁殖しているというニュースも一時期話題となりました。

外来生物
上記に掲載の写真は、すべて環境省の 外来種写真集のサイトより転載しています

「外来生物」とは…

私たちが、わざわざ運んだり、何かを運ぶ際に思いもよらずにくっついてきたりして、本来生息していた場所とは違うところに移動した(移動させられた)生物を「外来生物」と呼びます。外来生物の中でも、移動先の生態系の中で、繁殖して数を増やし、移動先の生態系や人間社会に大きな影響を与える生物を「侵略的外来生物」と呼ぶこともあります。

日本でも生き延びやすくなっていく傾向

外来生物は、これからも、さらに多くの解決の難しい社会問題を引き起こすといわれています。今まで以上に、人やモノの移動を活発にする自由貿易を進めようという国際社会の動きがあり、それに伴って本来いなかった生き物が入ってくる機会が増えるからです。また、気候変動にともなう温暖化や、都市化にともなうヒートアイランド現象が進み、熱帯の生物が日本のような温帯でも生き延びやすくなることも予想されています。

対応策は、あるのか?

外来生物を巡る最も難しい悩みは、答えがないことです。外来生物が入ってくるリスク対策にどれだけお金をかけるべきなのか、どの時代に入った生き物を問題視するのか、どんな外来生物を社会として問題視して駆除するのか、本当に駆除できるのか。これらの疑問は、生態学者がある程度知見を提供できる場合もありますが、様々な関係者で話し合い、そのときの知見に基づいて合意形成をしていく必要があります。

知ることからはじめることが重要

(公財)日本自然保護協会では、ヒアリの問題が起こる以前から外来生物の問題に取り組み、外来生物ってなんだろう、どこから入ってくるのか、どんな被害をもたらすのかを分かりやすく紹介してきました。ヒアリをきっかけに、外来生物の問題を多くの方に知ってもらいたいと思っています。

次ページ:【外来種問題Q&A】

道家哲平
 ●道家 哲平(どうけ てっぺい)
   公益財団法人 日本自然保護協会 経営企画部 副部長
   国際自然保護連合(IUCN)日本委員会
   副会長 兼 事務局長

生物多様性条約の NGO における第一人者。国際的な情報収集・分析を行い、生物多様性保全の底上げに取り組んでいる。特に、国内では、2020 年までに日本から愛知ターゲットの達成を目指し、企業や団体、自治体など多分野のセクターのネットワーク化を行いながら、地域や企業の生物多様性戦略、「にじゅうまるプロジェクト」などを推進。
大学院で研究していた哲学という異色の専門を活かし、世界の自然保護の問題を理解し、日本の課題・解決策に活かす、「世界のコトを日本のコトに」をモットーに奮闘中。プライベートでは、かわいい子どもたちの子育てが趣味という3児のパパ。

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