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日本自然保護協会(NACS-J)の活動や自然環境保護に関する情報をお届けします。

[ユネスコエコパーク探訪ガイド]白山

  • 2017年7月12日
  • NACS-J

 豊かな自然を守りながら、自然と共生する暮らしが営まれている世界的な自然保護地域・ユネスコエコパーク。NACS-Jは、人と自然のより良いかかわりを生み出すため、1980年にユネスコエコパークのしくみが日本に導入された当時から、その推進に取り組んできました。近年再び注目が集まりつつあるユネスコエコパークの魅力をご紹介します!


▲【移行地域】「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として世界文化遺産にも登録されている富山県南砺市の相倉集落。背後に見えるのは人形山(提供:白山ユネスコエコパーク協議会)

豪雪がはぐくんだ自然と文化 「白山」

 今回は、白山ユネスコエコパーク協議会の中村真介さんにお話を伺いました。

地図 白山

 白山ユネスコエコパークの中央にそびえる標高2702mの白山は、古くから全国の人びとの信仰を集めてきました。山頂付近には日本最西端とされる高山帯が広がり、気候変動の影響などをモニタリングするための重要なサイトにもなっています。白山周辺は世界でも有数の豪雪地帯で、この雪と雪解け水が動植物や人々の暮らしをはぐくんできました。移行地域にある、急傾斜で茅葺き屋根の「合掌造り」の民家は、そんな暮らしを象徴するもののひとつです。豪雪に適応するとともに、屋根裏を広くとり養蚕に利用するなど工夫の詰まった建築物になっています。集落では、民家周辺の田畑・山林はもちろん、屋根の材料の茅を取る茅場や、雪崩から守るための雪持林などを一体的に保存し、伝統的な暮らしの知恵を今に伝えています。

トチノキ
▲【移行地域】トチノキの実からつくる栃餅(提供:白山ユネスコエコパーク協議会)
トチノキの実からつくる栃餅は、あく抜きに時間がかかるが山村の救荒食として白山の山麓一帯に伝えられてきた。

ブナ林
▲【緩衝地域】白山山麓に広がるブナ林(提供:白山ユネスコエコパーク協議会)
山麓に広がるブナ林は、水源の森として人びとの暮らしを支えている一方、自然環境教育にも活用されている。例えば、市ノ瀬ビジターセンターではブナ林を歩く観察会などを開催しており、また冬季限定で開館するブナオ山観察舎ではニホンザル、ニホンカモシカ、イヌワシなどの野生動物を自然のままの姿で観察できる。

ハクサンフウロ
▲【核心地域】白山に咲くハクサンフウロ(提供:白山ユネスコエコパーク協議会)
夏になると、ハクサンフウロが白山へ登る登山道や山頂周辺では多様な高山植物が出迎えてくれる。全国の高山植物で、和名に「ハクサン」が付くものが多くあるが、これは全国でも早くから白山で高山植物が研究されてきたからだと言われている。


NACS-Jユネスコエコパーク担当のワンポイント
19.只見朱宮さん
 朱宮丈晴 NACS-Jエコシステムマネジメント室
ユネスコエコパークの事務局を白山市が担い、民間団体も積極的に運営に参加しています。金沢市にある国連大学研究所(OUIK)と連携し国際交流分野で積極的に活動するなど多様な活動に取り組んでいます。福井大学や勝山市内の小学校と協力しESD(持続可能な開発のための教育)分野でも先進的な取り組みを実施しています。

~白山ユネスコエコパーク基本情報~

●含まれる自治体
 富山県:南砺市
 石川県:白山市
 福井県:大野市、勝山市
 岐阜県:高山市、郡上市、白川村
●拠点/問い合わせ
 白山ユネスコエコパーク協議会(石川県白山市倉光2丁目1番地)
 TEL:076-274-9564


出典:日本自然保護協会会報『自然保護』No.553より

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