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[ユネスコエコパーク探訪ガイド]只見

  • 2017年7月12日
  • NACS-J

自然と人とが共存する地域……そのモデルとされるユネスコエコパークはどんなところなのでしょうか? それを知るため、「豪雪が育んだ自然と生活・文化を守り、活かす」を掲げる只見ユネスコエコパークを訪ねました。

地図 只見
▲只見ユネスコエコパークエリア

移行地域が、原則立入禁止のA、地元住民による伝統的な山菜・キノコ採集慣行などが可能なBの2種に分かれている。

自然と生きる只見の暮らしそのものに価値がある

 福島県の西端に位置する只見町は、一年の半分は雪の中にあると言われる日本有数の豪雪地帯にある。町の面積の大部分が山岳地帯で、町の中心部を流れる只見川・伊南川沿いに耕地や集落が点在する、深い山に抱かれた山間の町だ。2014年、この只見町全域と隣接する檜枝岐村の一部がユネスコエコパークに登録された。
「只見の人びとの暮らしは、古くから土地の自然資源に依存してきました。山菜・キノコなどの食料や、燃料、建材、農耕資材など多くのものを、集落を取り巻く山林原野から調達するといった人と自然との深い関係があり、今も、その関係は生活文化として暮らしの中に残っています。また、集落の奥の山々には、人の影響がほとんどない原生的な森が広大な面積で残されています。このような自然と、それに深くかかわる人の暮らしそのものがユネスコエコパークの要です」と、只見ユネスコエコパークの拠点となっている只見町ブナセンターのセンター長、鈴木和次郎さんが教えてくれた。
 只見町の人口は約4400人。平成の大合併の際に広域合併を選択せず独自の町づくりに取り組み、07年には町民参加で『自然首都・只見』というスローガンを打ち出した。これらは、豪雪やブナ林に代表される地域の自然環境に価値を見出し、その自然にはぐくまれてきた伝統的な生活・文化・産業を守ることで地域の発展を目指したものだ。「人と自然の共存」を理念に掲げたユネスコエコパークと親和性の高いこの方針が、ユネスコエコパーク登録推進の大きな動機付けとなったという。

世界自然遺産か ユネスコエコパークか

 実は只見町では、ユネスコエコパークを目指す前に世界自然遺産を目指したこともあった。只見から奥会津の一帯には約8万haもの原生的なブナ林があり、国の世界自然遺産検討会の候補地にもなるほど優れた森として知られている。この森の保護方法をめぐり、当初、世界自然遺産への登録が検討された。しかし、世界自然遺産は「原生的な自然を手付かずの状態で守る」ことを原則とするため、人と自然の結び付きが強く、古くから奥山まで人が立ち入り利用してきた只見には、その理念が適さないのではないかという指摘も上がっていた。町で議論を繰り返し、「自然を守りながら活かす」ユネスコエコパークの登録を目指すこととなった。登録後は、ユネスコエコパークの3つの目的を踏まえた行動計画をつくり、移行地域保護のための条例づくりや、只見の自然に触れ合うための森林の整備、ガイド育成、伝承産品のブランド化などの多様な取り組みを、地域住民と連携して進めている。

「ユネスコエコパークになっても、経済的・社会的にはすぐに何かが変わるわけではありません。ただ、世界的な制度に認定されたことは、住民が自分たちの生活や文化、町の自然の価値を再発見し、自信を取り戻すという、精神的な大きな効果がありました。町づくりの取り組みの意義の、科学的・社会的な裏付けにもなっています。過疎・高齢化などの課題もありますが、ユネスコエコパークのしくみを土台として、只見の自然と生活・文化を守るだけでなく時代に合わせながら活かし、より良い地域づくりにつなげていけるよう、町民の皆さんと地道に取り組んでいきたいと思います」(鈴木さん)

次ページ Point 1:自然の特徴と、守る取り組み

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