緑のgooは2007年より、利用していただいて発生した収益の一部を環境保護を目的とする団体へ寄付してまいりました。
2017年度は、日本自然保護協会へ寄付させていただきます。
日本自然保護協会(NACS-J)の活動や自然環境保護に関する情報をお届けします。
只見の見どころを、只見町役場総合政策課の中野陽介さんに紹介していただきました。
豪雪がつくり出す雪食地形とモザイク植生
只見の自然としてはブナ林が有名だが、実際はブナ林だけではなく、豪雪や急峻な地形の影響を受け、場所ごとに多様な植生が成り立ち(下部写真)、モザイク状に分布している。中でも特徴的なのが、山の斜面に見られる雪食地形。雪崩によって植生や土壌が剥ぎ取られ岩盤が露出した場所は遠くからでもよく目立ち、只見の景観を特徴づけている。山岳の高標高域ではなく里やまに近い標高1000m以下の低山に見られるのは珍しいことに加え、これらの植生がほとんど手の加えられていない原生的な状態で5万ha以上もの面積でエリア内に存在している。
核心・緩衝地域は、林野庁の森林生態系保護地域や保護林制度のほか自然公園法などで保護・保全が図られ、移行地域については町独自の条例による保全を目指している。地元住民とともに「ただみ自然観察の森」の整備なども進められている。
只見のさまざまな植生
▲雪崩により岩盤が露出した斜面と、その周りに発達するミヤマナラなどの矮小低木林。絶滅危惧種ヒメサユリの主要な生育地でもある。
▲尾根に列状に生育するキタゴヨウ林。
▲緩斜面や渓畔域に分布するブナ林。
▲川沿いに見られる河畔林。ヤナギ類が優占し、希少樹種ユビソヤナギの日本最大の自生地となっている。
▲絶滅危惧種ヒメサユリ(左)と希少樹種ユビソヤナギ(右)
次ページ Point 2:自然を活かした人の暮らし