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[ユネスコエコパーク探訪ガイド]只見

  • 2017年7月12日
  • NACS-J

Point 2:自然を活かした人の暮らし

集落をとりまく山林原野の恵みたっぷりの暮らし

 只見町は、縄文時代以来の狩猟採集と農耕文化を土台とする伝統的な山村社会が近年まで続き、今なお暮らしの中に色濃く残されている。カモシカなどを対象とした狩猟は古くから行われ、近年は衰退したものの冬季にクマ撃ちなどが行われている。山菜やキノコの採取が盛んで、現在でも5~6月の食料に占める割合は非常に高いといわれる。代表的な山菜はゼンマイ。雪が溶けた場所に徐々に生えてくるゼンマイを順々に収穫するため、雪がなくなる初夏まで採取することができた。只見のゼンマイはその生産期間の長さと品質の良さにより全国のゼンマイの価格相場に大きな影響力を持ったとされ、地元住民の大きな収入源になっていた。山菜の採集などは、伝統的な入会慣行にもとづき、今も持続可能な形で行われている。

09.只見ゼンマイ揉み
▲5月から6月にかけて庭先でよく見られるゼンマイを揉む作業。ゼンマイは雪の残る雪食地形でよく採れる豪雪の恵み。

 また、長い積雪期の家仕事として、伝統的にマタタビやアケビなどを利用したカゴなどの日用品がつくられてきた。冬のストーブの燃料には今も多くの家でまきが使われ、春先の残雪を利用して山からまきを搬出する「春木山」も行われている。川からはウグイやイワナといった漁業資源を得て、川沿いの段丘や沖積平野では米をはじめ多様な農作物を生産し、建物や農耕具の材を森から得るなど、自然資源を活かす技があちこちに息づいている。

10.只見春木山
▲春間近の3月、翌冬の燃料となるまきを得るため山に入り、木を伐採し、ソリに乗せて運び出す「春木山」。

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