緑のgooは2007年より、利用していただいて発生した収益の一部を環境保護を目的とする団体へ寄付してまいりました。
2017年度は、日本自然保護協会へ寄付させていただきます。
日本自然保護協会(NACS-J)の活動や自然環境保護に関する情報をお届けします。
豊かな自然を守りながら、自然と共生する暮らしが営まれている世界的な自然保護地域・ユネスコエコパーク。NACS-Jは、人と自然のより良いかかわりを生み出すため、1980年にユネスコエコパークのしくみが日本に導入された当時から、その推進に取り組んできました。近年再び注目が集まりつつあるユネスコエコパークの魅力をご紹介します!
▲【核心地域】志賀山と四十八池湿原。志賀山の噴火活動でできた大小さまざまな湖沼をめぐる散策路「池めぐりコース」では、多様な湿生植物に出合うことができる。
今回は、山ノ内町観光商工課ユネスコエコパーク推進室の山本敏幸さんにお話を伺いました。
長野県北東部にある志賀高原ユネスコエコパーク周辺地域では、1960年代以降スキー場開発などが進められましたが、核心地域にはほとんど人為的影響がない原生的な森林が残り、その周辺にも幽玄な亜高山性針葉樹林に美しい湖沼や高層湿原が点在しています。
志賀山、鉢山などの火山が多く、草津白根山の火口湖はpH0.8で世界でもっとも酸性の強い湖。移行地域にあたる山麓では、少雨・日較差の大きい気候、火山灰土が混ざり合ったミネラル豊富な土壌などの果樹栽培に適した自然条件と、先人が引いたかんがい用水を活かし、高品質の果樹(リンゴ・モモ・ブドウ)栽培が行われています。
▲【移行地域】山ノ内町のりんごの果樹園
▲【緩衝地域】6月~7月ころにだけ食べられる根曲がり竹。
根曲がり竹は、サバの缶詰と煮込んだ味噌汁「たけのこ汁」は地域の定番料理。根曲がり竹はカゴやザルなどの竹細工にも使われる。
▲【核心地域】「おたの申す平」の亜高山帯針葉樹原生林
溶岩台地の上に成り立つ「おたの申す平」の亜高山帯針葉樹原生林。志賀高原の原生林を巡る、解説板付きの散策路「まが玉の丘コース」で学びながら訪ねることができる。トレッキング情報などは志賀高原自然保護センターで発信中。
▲【緩衝地域】育苗・植樹活動
ユネスコスクールに登録されている山ノ内町立東小学校で行われている育苗・植樹活動。6年をかけて志賀高原に自生する樹木の種(ドングリ)から苗を育て、スキー場跡地に植樹する。自然の大切さに気づき、守り、活用する中で、地域の価値や行動を生み出す子どもたちの育成を目指している。
出典:日本自然保護協会会報『自然保護』No.553より