藤木:LCAの考え方はこれからどういう風に使われていくべきか、展望をご紹介いただけたらと思います。
田原:LCAとは「トータルで得なの?損なの?」というみなさんが普通に持っている考え方です。私は工学者なので、環境問題は科学技術だけで解決できると思っていました。しかし実際は、消費者がどのように選択して生活していくのかまで考えないと解決しません。工学者としては悔しいですが、地球を守るために、みんなで先のことまで考えて行動してくれたらと思っています。
藤木:我慢するエコは続かないけれど、社会システムが変わるとまた違う道が見えてくるのでしょうね。
田原:そうですね。牛肉の話をしましたが、牛肉がダメだということではありません。食べる時にCO2が出ることに思いをめぐらせることが大事で、贅沢だなと思いながら食べるとおいしかったりしますよね。
第27回エコ×エネ・カフェの前編はゲストの田原さんから「ライフサイクルアセスメント(LCA)」について触れていきました。次回後編は「参加者の“エコ”な行動に対する考えはどう変わったのか?」です。全員参加のワールドカフェの様子をレポートしていきますのでご期待ください。