この「バランス」というキーワードを巡って様々な意見が交わされました。
まず、「日本」に着目をした意見では「燃料をこれだけ輸入に頼っている現状を見ると、少なくとも今の日本はバランスがとれていないと言わざるを得ないだろうなと思います。ただ、突然再生可能エネルギーに切り替えるのも難しそうですし、どういう比率で、どれくらい時間をかけて切り替えていくのかについては慎重に議論することが必要そうですね」。「すべて自給自足にできれば理想的ですが、急に切り替えるのは難しいです。いずれは脱原発を目指すとしても、ただドイツの真似をするという発想ではなく、日本に適切な方法を考えていかなくてはなりませんね」。という声がありました。
「日本」をより小さな単位で見ていく必要もあるという指摘もありました。「これから再生可能エネルギーの比率を増やしていくことを考えると、地域の特性にあったエネルギーを導入するという視点も必要だと思います。日本にも都市や農村、森林地帯や海洋沿岸などいろいろな地域があるので、それぞれの地域にあったエネルギーの種類や組み合わせのバランスを考える場を設けることが必要だと思いました」。「日本の国土にあった発電方式も沢山あるのではないかと思いました。それは地域によっても違うと思うので、海外のどこかの国を参考にするというだけでは不十分だなとも思いました」。
また、「ライフスタイルを見直すことも視野にいれるべき」という指摘もありました。「東日本大震災が起こり、都市の機能は麻痺しました。ガソリンスタンドに行列ができ、コンビニにはモノが無い・・・。日本がとても不安定なバランスの上に成り立っていると実感しました。震災があったから節電や節約をするというのではなく、そもそもの暮らしを見つめ直すことが大切だと思います。震災から時間がたって、あんまりそういうことが話されなくなってきたような気がするので、改めて立ち止まってみることも必要なのではないかと感じます」。
多くのテーブルで「今、日本は変化の時を迎えている」ということが指摘されていたことが興味深い点でした。