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第5回 「適正技術と世界のエネルギー事情」&「情熱という名のエネルギー」高倉 弘二 氏

  • 2010年12月24日
  • 緑のgoo編集部
J-POWER エコ×エネ・カフェ

Q.現地に行ってみて気づいたこととは?

最初はコンポストセンターを整備し、効率化することによってこの問題を解決しようと考えていました。ところが実際現地に赴いてみると、エネルギー事情が違っていた。施設を作ったとしても、電気代が高くて運用することができないのです。そこでいきなり計画の修正を余儀なくされました。マンパワーとなる人はいる。交通事情がよくないので、輸送に頼らず家庭内で完結できるシステムを作らなくてはならない。自分たちの持っている技術と現地で簡単に調達できる材料を組み合わせて作れるものは何だろうと、現地の人にヒアリングしながら真剣に考えました。日本の農家から土着菌の素晴らしさを聞いていたので、それを探すために現地のスーパーや林の中を見て歩くなどして、手探りで研究開発を進めていきました。

発酵菌は現地で入手しやすいものを選んだ。日本と同じように屋外でも採取。
発酵菌は現地で入手しやすいものを選んだ。
日本と同じように屋外でも採取。
現地のスーパーで調達できる材料を使う。写真はフィリピンのスーパーで調達したもの
現地のスーパーで調達できる材料を使う。
写真はフィリピンのスーパーで調達したもの

Q.現地の人の反応はいかがでしたか?

最初は全く受け入れてもらえませんでした。「あなたたちの技術は必要としていない。帰ってくれ!」と言われてしまったんです。

Q.それをどう克服したのですか?ターニングポイントは?

信頼関係を築くため、お昼は必ず現地の人と一緒に食べ、出された水も同じものを飲むようにしました。最初の頃は適切な作業場所も無く、炎天下にターフを張っただけの蒸し暑い場所を作業場にして、気温38℃もの劣悪な環境でひたすら地道に仕事を進めていくしかありませんでした。本当にきつかったけれど、仕方がないですよね。脱水症状になり、倒れそうになってからは体調にも気を配るように心がけ、とにかくひたすら頑張り抜きました。交流をはかるために、自分たちがコンポストの中にいれて作ったゆで卵を一緒に食べてもらう、なんてこともしました。まずは自分たちが食べてみせたりして。

屋外の劣悪な環境の中で(でも楽しく)、ひたすら試行錯誤の日々
屋外の劣悪な環境の中で(でも楽しく)、ひたすら試行錯誤の日々
コンポストを利用したゆで卵づくり
コンポストを利用したゆで卵づくり
現地のNGOとのコミュニケーション。信頼関係を築くため、お腹を壊すリスクもかえりみず、同じものを食べることにした
現地のNGOとのコミュニケーション。信頼関係を築くため、お腹を壊すリスクもかえりみず同じものを食べることにした
現地のNGOとのコミュニケーション。信頼関係を築くため、お腹を壊すリスクもかえりみず同じものを食べることにした

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