イベント「White Club(ホワイトクラブ)」が4月23日、「Incubation Studio SoWelu(インキュベーション・スタジオ・ソエル)」(神戸市灘区水道筋6)で開催された。 (神戸経済新聞)
仕事の質を落とさずに新しい友達を見つける話に、一同が引き込まれた
四季を表す言葉を人生100年時代に当てはめ、50~75歳を「白秋世代」と呼ぶ一般社団法人「白秋共同研究所」が主催する同イベントは今回で10回目。誰でも参加できる「個人サロン」と銘打ち、2024年7月から毎月、ゲストスピーカーを招き行ってきた。
毎回ゲストスピーカーによる講演を通じ、参加者同士で働き方や生き方、セカンドキャリアに関しての考察を広げる。これまで登壇したゲストは、毎日放送の加山郁芳さん、フェリシモの中村圭緒さん、阪急阪神グループの西田孝廣さん、観光家の陸奥賢さん、日本イーライリリーの川副祐樹さんなど。
当日は、NPO法人「コミュニティリンク」の小野耕一さんが講演「人生の後半は撤退戦である」を行った。小野さんは毎日放送で30年以上働き、56歳で早期退職制度を使い退職し、「コミュニティリンク」に参加。長年関わってきたスポーツコーチングのNPOでもその役割を拡大した。還暦で株式会社を起業し、その活動の幅をさらに広げた。
小野さんは、「人生の後半は『撤退戦』であり、逃げ惑うことではなくきちんと引き払いながら退くこと」と講演。仕事の規模は縮小するが、次世代に幸せを贈ることは『撤退』によってかなうことに気づいたという。そのためには同世代や年長の人とではなく、次世代の人々と友人になることがポイントと話した。NBAのヤニス選手が記者に対して「スポーツには(良い日も悪い日もあるが)失敗なんかない」と発言したことも紹介し、スポーツ支援のベースになる考えがシニアの生き方にもつながることを力説した。
小野さんは「自分では変えられないことに対して悔やんだり、羨ましがったり、文句を言ったり、愚痴ったり、恨んでも仕方がない。撤退戦を楽しもう」と呼びかけた。