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第5回 「適正技術と世界のエネルギー事情」&「情熱という名のエネルギー」高倉 弘二 氏

  • 2010年12月24日
  • 緑のgoo編集部
J-POWER エコ×エネ・カフェ

ゲストトーク: 「適正技術と世界のエネルギー事情」&「情熱という名のエネルギー」

ゲストトークは森さんの問いに髙倉さんが応える形で進行
ゲストトークは森さんの問いに髙倉さんが応える形で進行

今回のゲストはジェイペックの髙倉弘二さん。インドネシアのスラバヤ市にて、「魔法のバケツ」と呼ばれる生ごみコンポストを開発・普及させた体験談を通じて、適正技術と世界のエネルギー事情についてお話いただく予定です。ところで今回のゲストトークは、直前になってタイトルに「情熱という名のエネルギー」という言葉が付け加えられました。はたして、その理由とは・・・。答えは、後ほどファシリテーターの森さんが髙倉さんとの対話を通じて導きだしていくそうです。

Q.「魔法のバケツ」とは、一体何ですか?

家庭からでる生ごみを堆肥にするコンポストのことです。現地で一番手に入りやすい材料を使います。例えばコンポストの要になる発酵菌は、現地の伝統的な発酵食品を使うなど、現地で採れた菌類を使って作った発酵床に家庭からでる生ゴミを入れて堆肥へと変える技術です。これは日本の技術をベースに現地の人たちからの知恵を借りて研究し、開発しました。見ていただくと分かりますが、ホームセンターで販売されているランドリーボックスに段ボールなどを敷いて作ったとてもシンプルなもので、家庭の台所に置いて使ってもらっています。

竹細工の盛んな地方では竹籠が最も安価で手に入りやすい品物。
「けれど現地の人はプラスチック製品の方がかっこいいと思っているようです。日本で作るならランドリーボックスを使うとちょうどいいですね」と髙倉さん
竹細工の盛んな地方では竹籠が最も安価で手に入りやすい品物。「けれど現地の人はプラスチック製品の方がかっこいいと思っているようです。日本で作るなら買い物カゴを使うとちょうどいいですね」と髙倉さん

Q.そもそも、髙倉さんは何故このプロジェクトに?

環境の仕事に関わりたいという思いからJ-POWERのグループ会社ジェイペックに転職し、環境分析の仕事を担当するようになりました。一人の研究者・技術者として自分に何ができるだろうと自問自答し、北九州市へ転勤したことを契機に考えたのが、自然循環を活用した事業:家庭ゴミを使った生ごみコンポストでした。

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コンボスト

Q.アジアの、そしてスラバヤ市のエネルギー事情とは?

アジア諸国の多くの地域では、経済発展のスピードにエネルギーの安定供給が追いついていません。エネルギーの供給が不安定なので停電になることもしばしばですし、電気代も高いため、基本的には電気をあまり使わない生活をしていて、部屋の灯りも薄暗いところが多いです。
インドネシアの国土面積は世界第15位。2億3千万人もの人が暮らす東南アジアの島嶼国です。昔は土に還る有機ゴミがほとんどでしたが、経済発展と共にプラスチックなどのゴミが大量に廃棄されるようになり、処理施設の整備が間に合わず、その結果、町には大量のゴミが溢れ出るようになりました。自分たちの開発した技術と現地にある材料を使ってこの問題を解決したいと、北九州市や企業などの複数のセクターがスラバヤ市や現地のNGOと協力して、このプロジェクトが立ち上がりました。

インドネシアの少女
三輪車

工業化にともないゴミの種類も変化。処理が追いつかず問題となっている
工業化にともないゴミの種類も変化。処理が追いつかず問題となっている
河川に投棄されるゴミ。
河川に投棄されるゴミ。

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