藤木さん「先ほどご紹介しました通り、J-POWERの企業理念には『持続可能性』という言葉があります。これは、『将来世代の便益を損なうことなく現代世代のニーズを満たすという』考え方ですが、一方で『エネルギーを途絶えることなく提供する』ということも、大切な使命です。いつでもどこでも、必要とする全ての人に、経済的(Economical)に使っていただけるように安定供給すること、そして同時に、なるべく環境(Environment)の負荷を抑えてそれを行なうということ。このふたつのEが大切ですが、実はもうひとつ、国のエネルギーセキュリティー(Energy Security)というEがあります。電力はライフラインの一つであり、蓄積しておけないという性質を持ったものですので、安定供給はとても重要な課題です。日本のエネルギー自給率は、現在たったの4%しかないと言われています。セキュリティー問題の解決には、国やエネルギー会社はもちろんのこと、多くの方との協働が必要不可欠です。多くの方と協働し、日本と世界の持続可能な社会の発展、エコとエネのバランスのとれた社会の実現に貢献する企業でありたいと、考えています」
藤木さん「さて、皆さんに『発電電力量の推移』と書かれた用紙を配布しました。そこには1975年、そして2005年の電力使用量が書かれています」
藤木さん「円の大きさが電力需要量、その中の比率がその構成を示しています。円の大きさもさることながら、その比率も大きく変わっていることに気づくと思います。ここにはオイルショックや円高を経て、ひとつのエネルギーに頼ることの危うさを認識したことが背景にあります。この後の時間では、2050年の発電量がどうなっているのか、円グラフを使って皆さんに対話を深めていただきたいと思っています。皆さんには『電源の特徴とは・・・』という資料をお配りしました。こういった資料を見ても『本当だろうか?』と感じる点があるかもしれません。そういった不安も含め、対話の中で率直に意見を交換していただければと思っています」
「ちなみに、1975年にまだ生まれていなかった方という方、手を挙げてください」。
森さんの問いに会場の半数が手をあげます。今回の参加者の半数は大学生。つまり20代前半ですので、75年には生まれていなかった人たちです。
「自分たちが生まれていなかった時代のことは想像しづらいかもしれませんが、みんなで考えていきましょう!」
いつにも増した熱い想いの込められた藤木メッセージを受けて、ここからはゲスト二人によるリレートークの時間です。