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「水資源」 詳細解説

読み:
みずしげん
英名:
Water Resources

産業の原材料としてみた化石燃料や鉱物などを「資源」といい、工業や農業、発電などに用いられる資源としての水のことを「水資源」と呼ぶ。国土交通省の2013年版「日本の水資源」によると、地球上にある水の総量は約14億立法キロメートルだが、河川や湖沼などの淡水はその0.01%である0.001億立方キロメートルしかない。日本における主な水源としては、多い順にダム、自然状態で流れる水、地下水、湖沼などがある。

人間が産業や生活に利用することのできる水資源の理論的な最大量を、水資源腑存量という。日本の水資源賦存量は、1981年から2010年まで30年間の平均値で約4100億立方メートルとなっている。このうち国民が年間に使用している水の量は、2010年で約815億立方メートルだ。用途別では、生活用水が154億立方メートル、工業用水が117億立方メートル、農業用水が約544億立方メートルとなっている。

わが国における一人あたりの水資源量は約3400立方メートル/人・年で、世界平均の半分以下だ。半面、一人あたりの水使用量は約710立方メートル/人・年と世界平均の約1.3倍で、少ない水資源を有効活用していることがわかる。しかし、都市化や産業構造の変化、気候変動などの影響を受けて、水の利用形態や水循環のあり方は大きく変化している。また、地下水の過剰な採取による地盤沈下により地下水位が減った地域があるほか、湧水の枯渇などもみられる。

水質の悪化とそれに伴う生態系への悪影響も深刻化しており、水循環を健全な姿にすることが求められている。国は、統合的水資源管理(IWRM)の手法を活用しているほか、2014年に成立した水循環基本法及び雨水利用推進法に基づく施策を推進している。同基本法は、8月1日を「水の日」と定めた。一方、大きな問題となっているのが、60年近く前から整備されてきた上水道など水資源関連施設やインフラの老朽化だ。耐用年数を経過しているものもあり、早期改修が求められている。

国際的には、世界全体の水使用量が増加する一方で、水資源の偏在や水環境の悪化が進んでいる。このため、水の需給に関する逼迫の程度を表す「水ストレス」に直面する人々が増え、水資源の争奪戦も激しさを増している。国連は、水と衛生に関する諮問委員会(UNSGAB)を置いて対策に取り組んでいるほか、持続可能な開発委員会(CSD)も水を大きなテーマとしている。また、3月22日を「世界水の日」としている。このほかに、国際機関や学会などでつくる世界水会議(WWC)があり、「世界水フォーラム」を3年に1回開催している。

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