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「統合的水資源管理」 とは

読み:
とうごうてきみずしげんかんり

総合的水資源管理(「統合水資源管理」ともいう)は、水による経済的・社会的な恩恵を、生態系の持続可能性を損なうことなく、公平な方法で最大限にまで増大させるために水を計画的・総合的に管理する手法だ。英語の頭文字を取ってIWRMと略される。統合的水資源管理は、1992年に開催された地球サミットで採択された「アジェンダ21」で主要テーマとされ、2002年の第3回世界水フォーラムにおける閣僚宣言では目標が明記された。

総合的水資源管理の実現には、自然界での水循環における水のあらゆる形態・段階(川、地下水、雨水、地表から蒸発する水など)について、水量や水質などの特徴を踏まえて管理することが求められる。また、別々に管理されていた水に関連するさまざまな部門(河川・治水、上下水道、農業用水、工業用水、生態系維持のための水など)を考慮するとともに、政府や地方自治体、企業、NGO/NPO、住民などあらゆるレベルの利害関係者を含む参加型アプローチを目指すことが必要だ。

現在、世界各地で水不足や水質汚濁などが深刻になっているが、水問題は国や地域によって状況が異なるため、それぞれの国や地域の自然・社会経済的状況を踏まえた管理方法を計画することが必要だ。たとえば、河川の上流から下流、海岸までの流域全体を一つの単位として、関係する複数の自治体や住民、企業など関係者の参加のもとに管理していく「統合的流域管理」の考え方も統合的水資源管理といえる。総合的水資源管理は、地球温暖化に伴う気候変動により引き起こされている水資源への影響や降水特性の変化などに対応して、水利用の安全性を確保していくための手法としても注目されている。

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