A: 都市用水には、大きく分けて生活用水と工業用水がある。2010年における生活用水の使用量は、取水量ベースで約154億立方メートル/年となっており、近年減少傾向にある。飲み水・炊事・洗濯・風呂・掃除・トイレなどの家庭用水と、飲食店・事務所・公衆トイレ・プールなどの都市活動用水に分けられる。一方、工業用水は従業者4人以上の事業所を対象とした淡水の補給量のことで、2010年における使用量は約509億立方メートル/年だ。各種原料、冷却、ボイラー、製品処理、洗浄、温調などに使われている。
A: 地下水は、良質で水温変化が少なく、利用者が井戸で取水するため、大規模な施設を必要としないといった特長をもつ。2010年の都市用水及び農業用水における地下水の使用量は約94億立方メートルで、全使用量の約12%を占める。明治時代から昭和にかけて、地下水の過剰な採取による地盤沈下が各地で起きたが、近年やや沈静化しつつある。地下水を保全するため、工業用水法やビル用水法などによる地下水取水規制が行われているほか、地盤沈下防止等対策要綱もある。環境保全条例や地下水保全条例などにより、独自の採取規制を行っている地方自治体も多い。