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「琵琶湖」 詳細解説

読み:
びわこ
英名:
Biwako Lake

滋賀県にある琵琶湖は、面積が約670平方kmもある日本で最大の淡水湖だ。汽水湖ではない。水鳥の生息地を保護する「ラムサール条約」登録地のひとつでもある。1950年代まではフナなどの淡水魚や貝が豊富にとれる豊かな湖で、広大な地域の住民の飲み水を確保し、洪水を防ぎ、魚介類を供給してくれることから「母なる湖」と呼ばれた。しかし、1960年代に入り、湖の周辺に宅地が開発され、人口が増加し、工場が建設されるようになると、生活排水や工場排水が流れ込み水質が悪化した。

1977年には赤潮が大発生するなど水質汚濁が深刻化し、放置できない状態となった。湖の名産でもあったヨシが減少し、魚の産卵場所も少なくなり、食物連鎖が断ち切られるなど生態系への影響が顕著となった。このような状況に危機感をもった市民や生協関係者が草の根の環境運動を推進し、富栄養化をストップするため、原因となるリン系合成洗剤の使用禁止が呼びかけられた。この運動は一時的に水質を改善し、日本中に広がって合成洗剤の無リン化をうながした。

また、県も湖の環境保全に力を入れ、1979年に「滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例(琵琶湖条例)」を制定した。その後も、1984年に風景条例、1992年にヨシ群落保全条例を制定するなど、水質・環境改善の取り組みを進めた。さらに、2000年には水質保全、水源涵養、自然的環境・景観保全の3つを柱にした琵琶湖総合保全整備計画(マザーレイク21計画)を策定した。同計画は、2014年に改定され、2020年度までの目標が設定された。

その後も国、県、地元市町村、市民、事業者による環境保全のための努力が続けられている。しかし、水質環境基準は一部の水域を除いて横ばいの状態が続いており、さらなる取り組みが必要とされている。琵琶湖の環境再生を軸に、行政と企業、市民が一体となった環境活動が推進されたことにより、琵琶湖は、日本だけでなく世界からも「自然とひとの共生モデル」として注目が集まっている。

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