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「フロン排出抑制法」 詳細解説

読み:
ふろんはいしゅつよくせいほう
英名:
Act for Rationalized Use and Proper Management of Fluorocarbons

2002年に施行された「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律」(フロン回収・破壊法)は、オゾン層破壊地球温暖化の原因物質であるフロン類の大気中への放出を禁止し、機器の廃棄時に回収、破壊処理を行うことを義務づけた。対象となるのは、業務用冷凍空調機器に冷媒として使用されていた特定フロンのクロロフルオロカーボン(CFC)と、代替フロンとして開発されたハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)及びハイドロフルオロカーボン(HFC)の3種類のフロンガスだ。

業務用冷凍空調機器から排出されるフロン類を回収するため、フロン回収・破壊法は2006年に改正され、機器廃棄時の回収行程を管理する制度が導入された。また、機器整備時の回収義務が明確化された。しかし、冷凍空調機器の冷媒用途を中心として、高い温室効果をもつフロン類の排出量がその後も増加した。このため、2013年6月に同法は抜本改正され、名称が「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」(フロン排出抑制法)と改められ、2015年4月に施行された。

フロン排出抑制法は、業務用冷凍空調機器の廃棄時などにおけるフロン類の回収及び破壊の実施に加えて、フロン類及びフロン類使用製品の製造と使用段階における対策を講じている。また、フロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全体における、抜本的な対策を導入した。第一に、フロン類の製造・輸入業者に対して、温室効果のより低いフロン類の技術開発及び製造や、フロン類使用合理化計画の策定などを求める。

第二に、冷凍ショーケースなどフロン類使用製品の製造・輸入業者に対して、ノンフロン製品や温室効果の低いフロン類を使用した「低GWP製品」への転換について、製品ごとに目標年度までの実施を求める。第三に、飲食店やオフィスなどで業務用エアコンや業務用冷凍冷蔵庫など第一種特定製品を使用、管理しているユーザーは、点検・維持管理基準に従って、フロン類の漏洩防止に欠かせない適切な設置、点検、故障時の迅速な修理などを行う。また、フロン類の算定漏洩量が会社全体で、CO2に換算して1,000tを超える利用者は、その量を大臣に報告しなくてはならない。

第四に、業務用冷凍空調機器に使われるフロン類の充填業の登録制と、フロン類再生業の許可制を導入した。旧法の第一種フロン類回収業者は第一種フロン類充填回収業者となり、フロン類の充填行為は登録業者だけが行えるようになった。また、再生行為の適正化を図るため、発注者による再生及び破壊完了の確認は証明書によって行われる。なお、家庭用のエアコンや冷蔵庫、衣類乾燥機、使用済み自動車に搭載されているカーエアコンは、フロン排出抑制法に基づく回収義務の対象とならない。家電リサイクル法自動車リサイクル法で、回収が義務づけられているからだ。

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