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海野和男のデジタル昆虫記

連載「日本昆虫記」33 フユシャク

連載「日本昆虫記」33 フユシャク
2010年05月07日

 冬にガを見つけて驚いたことはありませんか。フユシャクと呼ばれるガの仲間は、ほかの昆虫が活動しない冬にだけ成虫が現れるという変わった暮らしをしています。
 冬の、比較的暖かな日に、日が暮れた雑木林の中を懐中電灯で照らせば、たいてい何匹かの小さなガがひらひらと飛んでいるのをみることができます。そのガがフユシャクです。フユシャクの仲間は日本に36種類が知られています。面白いことに、林の中を飛び回っているのはすべてオスです。フユシャクの仲間のメスは飛ぶことができません。翅が退化して、小さかったり、ほとんどなかったりするからです。
 メスは羽化するとフェロモンという匂いを出してオスを呼びます。オスは枯れ葉の下から羽化してきたメスを匂いをたよりに見つけて交尾するのです。メスのはねが退化してしまったのは、寒い冬は体の表面積が小さいほど体温を保つのに有利だからと言われています。卵を産んで、次の世代を残すのに無用な羽を退化させてしまったと考えられています。
交尾するフユシャクの仲間と、ウメの木に産卵するフユシャクの仲間のメス

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