今回のゲストは、株式会社ユーグレナの鈴木さんです。ファシリテーター森さんとの掛け合いからミドリムシの持つ可能性について紐解いていきます。
鈴木:ミドリムシが発見されたのは1674年と言われています。顕微鏡が発明されて、初めて発見されたのがミドリムシの群だったんです。ユーグレナはミドリムシのラテン名で、「美しい目」を意味します。植物の性質と動物の性質の両方をもっている緑色をした生きものということで、日本では「ミドリムシ」という名前で呼ばれています。
森:先ほどのクイズにありましたが、ミドリムシは何の仲間なのでしょう?
鈴木:藻類の一種ですね。1970年代には、ミドリムシの研究が日本で盛んにされるようになりました。オイルショック時に食糧はいつでも海外から安定的に輸入できるとは限らないという危機感から、とくにタンパク質の供給源としてミドリムシを研究する方が増えました。
森:同じようにタンパク質の供給源として研究されたものでは、クロレラが有名ですよね。
鈴木:クロレラの方が、研究がしやすかったんです。ちなみにクロレラも藻類の一種になります。ミドリムシは光合成をするためにいろいろな色素を兼ね備えていて、魚に含まれるようなDHAだとか。パラミロンだとか。ミドリムシしかつくらない成分も含めて、いろいろな栄養素を持っているんです。そして、ミドリムシは細胞膜なので、人の身体に取り入れたとき、栄養の吸収がしやすいんです。
森:更にミドリムシは、温暖化の解決にも役立つと考えられるようになったそうですね。
鈴木:1990年代に入ると、地球温暖化の問題が学者の間で知られるようになってきました。それに対する対策として、二酸化炭素を固定化しよう、火力発電所からでてくる二酸化炭素を少なくすることで温暖化の対応をしようという研究が増えてきました。そこでミドリムシを活用しようというアイデアが出てきたのです。まだ試験中ですが、そういうポテンシャルを持っているものとして、とても注目を集めています。