カフェ終了後も会場では参加者の多くが名残惜しげに会話を楽しんでいました。
今回、初めてエコ×エネ・カフェに参加した伊藤さんは、「環境ボランティア見本市」というイベントを通じてエコ×エネ体験プロジェクトのことを知り、このカフェに参加したそうです。「こういう環境やエネルギーをテーマにした会合には時折参加しています。今回のカフェに参加するまでは、文系の自分にとってサイエンスという言葉は自分たちと違う人たちのものと感じていたところがありました。けれども、ゲストトークで統計グラフなどの情報も見せ方によって事実が曲げて伝えられることもあるという話を聞いて、情報の受け取り方を考えることは誰にとっても大切なことなのだと気づかされました。これからはものごとに対してもっと論理的に考えたり、情報を多角的に見て判断するということを意識していきたいと思います」と感想を聞かせてくれました。
エコ情報交流会というイベントで配られていたチラシから、「エコ×エネ・体験プロジェクト」を知ったという平塚さんは、大学では農学部に所属して、地域社会や生態系、生物多様性のことなど幅広く勉強しているそうです「僕は科学の根本を動かしているのは好奇心や知識欲、人のために何かをしたいという結びつきを起こさせる熱意だと思っています。今『リーダーシップ性』という言葉が気になっているのですが、熱意と知識欲を結びつけること、そして熱意を持っていかに人を巻き込んでいくのかということが、リーダーシップの上でも大切だと思いました」と意見を聞かせてくれました。
エコツーリズムの会社にお勤めの壱岐さんは、エコ×エネ・カフェの常連です。「初めてサイエンスリテラシーという言葉に触れたのですが、エコとエネを考える上ではなくてはならないことだなと思いました。これからはそういう視点を意識して自分の意見を持てるようにしたいと思いました。日頃から、ものごとを考える上では、答えに辿り着くまで考えていかなくてはと思うことはあったけれど、古田さんから、専門家の意見を上手に使ってという指摘があり、全部自分で考えなくてはいけないのではなく、自分なりの考えを持つということが大切なのだと改めて考えました。環境やエネルギーのような広がりのある問題に取り組むためには、違う意見があることを受け入れつつ、バランスを持った見方ができることが大事です。そういう意味で、議論ではなくて対話することが大切なのだと改めて感じさせられました」という意見を聞かせてくれました。
エコ×エネの「×」は、それぞれの立場にある人が100%以上の力を発揮することによる相乗効果で社会課題を改善していくというJ-POWERの意志を示しています。次回はゲストは、NPO法人国際環境経済研究所 主席研究員/一般社団法人フォレストック協会理事の竹内 純子さんをゲストに迎えて世界の中で日本のおかれた状況、果たすべき役割、そして諸外国の状況をご紹介いただき、対話を深めていきます。
ライター:株式会社yukikazet 今井 麻希子(いまい まきこ)
カメラマン:アクアデジタルフォトス 田川 哲也(たがわ てつや)