皆さんからの共有を受けて、ゲストの古田さんからのコメントがありました。
皆さんの対話をとてもおもしろく聞かせていただきました。
最初の問いは「サイエンスリテラシーが発揮出来る場面はどういうところなのか」でしたが、対話を進めていくと「全部だよね」という結論に至りました。けれども、更に話を進めていくうちに「全部自分で考えていくと疲れちゃうんじゃない?」「あまり洗練されてしまうと、かえってギスギスした社会になってしまうのでは」というような意見も出てきて、それもおもしろいなと感じました。
私は、だからこそ専門家というものが必要とされているのだし、専門家の使い方を知ることも大事なのかなと思っています。
リテラシーの高い社会とは、バランスの天秤がまったく動かないような社会ではなく、両方に振れながら、その時々で必要ないろいろなことを選択していく社会なのかなと思います。「これをしなくてはいけない」ということばかりではなく、是非「リテラシーを持って楽しむ」ということを感じていただければと思います。
例えば公園でサッカーしている子どもたちも、いろいろな技を身につけていっているからこそプレイを楽しんでいるということが言えますよね。それと同じで、サイエンスのことをよく知っていると、あの映画で主人公たちが行った惑星はどういう大気に満たされていたのだろうとか、あの怪獣のはいた炎の燃料は何だろうとか、そういうどうでも良いことも楽しめたりするんです(笑)。皆さんもあまり堅苦しく考えないで、サイエンスリテラシーを身につけていただけたらと思います。
緑のgooのプロデューサの東さんからは「皆さんが対話しているテーブルをまわっていたら、メディアについての言及もあり、メディアを運営する立場の人間として考えさせられることが多くありました。企業の発行している環境報告書についてのアンケート調査結果で、一般の方が食品に関する情報を仕入れる情報源としてマスコミを上げる人が一位で6割くらい、次いで企業という順番でした。けれども情報源としての信頼性を尋ねるとマスコミの信頼性はほぼ半減するほどに低いという実態も分かってきました。広告を収入源にしているメディアの発信する情報をどこまで信頼できるかという厳しいご指摘もありましたが、あまり疑わず(笑)、素直な気持ちで接していただけるメディアでありたいと思います」というコメントがありました。
緑のgooのプロデューサの東さん
J-POWERの藤木さん
また、J-POWERの藤木さんからは「環境でもいい、食品でもエネルギーでも、自分の興味のあるところから話を聞いて、情報を得て、考えるということを積み重ねていくことが大事なのかなと思いました。今後、火力発電所の見学ツアーの開催を予定していますので、皆さんも機会があれば是非いらしてください」との挨拶がありました。