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第11回 「サイエンスリテラシーから見たエコとエネ」古田ゆかり 氏

  • 2012年12月25日
  • 緑のgoo編集部
J-POWER エコ×エネ・カフェ
ワールドカフェ:
問2
サイエンスリテラシーが高まると、世の中はどう変わると思いますか?

商品の開発や購入時の選択基準が変わってくるという意見がありました。

「サイエンスリテラシーが高まると、みんなが正しい情報に従って判断するようになるので、商品を提供する側もそういう前提でモノを作らなくてはならなくなります。そうなれば、公平な価値基準でモノがつくられる世の中になっていくと思います」

「サイエンスリテラシーが高まると、環境に配慮した本当にエコなものはなんなのかということを、イメージからではなく、根拠に基づいた知見から判断するようになると思います。つまり、サイエンスリテラシーの高い人が増えると、世界がもっと本当の意味での(イメージ上のではない)エコになってくると思います」

さまざまな意見が飛び交います
さまざまな意見が飛び交います
さまざまな意見が飛び交います

情報の受発信のあり方が変わってくるだろうという指摘もありました。

「昔はあまり情報が世の中に流通していなかったので、商品について調べようと思うと、メーカーからの情報をもとに判断するしかありませんでした。今は一般の人たちがインターネットで情報発信を行っていて、いろいろな情報を解説するサイトも多くあるので、調べようと思えば自分の力で必要な情報に辿り着くことができます。そうやって情報を調べる人たちが増えると、メーカーからの情報の発信のされ方も変わってくるのではないかと思いました」

「表層的な情報に騙されない人たちが増えると、情報の受発信のされ方も変わってくると思います。ただし、情報や知識のやりとりには限界もあるので、最終的には個人の感覚的なものに委ねられることにはなると思います。自分の中に明確な価値基準を持つことが必要になるのでしょうね」

メディアや政治が変わってくるという意見もありました。

「サイエンスリテラシーが高まるということはモノを見る目が養われるということだと思います。そういう人たちが増えるということは、言葉に踊らされる人たちが減ってくるということでもある。そうなると選挙の結果にも影響がでて、いい意味で政治が変わってくるのではないかと思いました」

「サイエンスリテラシーが高まるということは、メディアリテラシーも高まるということでもあると思います。情報を鵜呑みにしない文化が育つと、自分が疑問に思ったことも『本当にそうなのかな』と口にしやすくなる。そうすることでこれまで曖昧なまま受け入れてきてしまったことにも立ち止まって考える機会が与えられるようになり、そのことがものごとの改善にもつながっていくのではないかと思います」

自分と全く異なる意見を持つ人から話を聞くことも楽しみのひとつ
自分と全く異なる意見を持つ人から話を聞くことも楽しみのひとつ
自分と全く異なる意見を持つ人から話を聞くことも楽しみのひとつ

リテラシーが高まったことのメリット・デメリットや、それらとどう付き合うかという視点からの意見もありました。
「多面的な視点から考えられるようになれば、ユニークなアイデアが生まれやすくなって、社会が楽しくなりそうです」

「いろいろな知識を持つと、今まで考えもしなかったことに気づくようになる分だけ悩みも増えそうな気もします。もっと楽に選びたいという気持ちも、正直湧いてくると思います。あまり難しく複雑にならないでハッピーな選択をしていくためにはどうしたらいいのだろうと考えました」

「サイエンスリテラシーが高い人たちというと、専門家というイメージがあったのですが、サイエンスリテラシーが高い社会というのは、専門家たちが多い社会という意味ではないですよね。専門家は、専門家にしか分からない言葉で話す傾向があり、専門性に偏っていることもありますから、専門家が集まって話しているからリテラシーが高い議論がなされているという訳では必ずしもない気がします。そういう意味で、専門家の役割って何なのかなと、少し考えてしまいました」

「全部を理解することは難しいので、分かりやすく伝えてくれる人がいることが大切ですね」


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