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第8回 「地域・需要からエネルギーを見てみると」川北 秀人 氏

  • 2012年2月16日
  • 緑のgoo編集部
J-POWER エコ×エネ・カフェ

今日はありがとうございました。みなさんの感想を受けて、僕の経験からの意見を共有させてください。
まず、省エネを何か他のメリットとも結びつけることで実現させるということ。三菱重工の長崎造船所では、社員が毎年400ものチームを組んで参加する駅伝を主催しています。大会が近づく冬の時期に、自家用車での通勤を乗り合いに代えてバスも増発すると従業員に呼び掛けたところ、1万台分以上ある駐車場のうち4割が使われずに済んだという結果につながったそうです。社員が走ることは健康増進にもつながりますから、健康保険組合も喜びます。そんな風に、関わる人たちのメリットを結びつけていくことで、エネルギーの問題に取り組む流れをつくることも一つの手だと思います。

川北さんからクロージングの挨拶
川北さんからクロージングの挨拶

また、東京のように自然が少ない都市でも、地下熱の活用の推進などが考えられます。
先ほど「共有」という言葉について指摘がありましたが、この言葉には「共同利用」と「共同所有」の二つの側面があると思います。自分が共同利用者であるだけではなく、オーナーであるという責任と自覚を持ってメンテナンスや運営にかかる費用や負担を共に考える関係を構築する。そういう意識を持つことで、関係が希薄化した社会を補えるかもしれないし、社会の全体的な意識も少しは変わってくるのではないかと思います。僕が一昨年まで暮らしていた浦安市では、町内会・自治会の組織率が全国平均を大幅に下回っていましたが、震災直後の2か月余りで急激に加入者が増えたと言われています。震災を経て、大型マンションに暮らす人たちも、互いに声をかけられる関係であることが重要だという意識を持つようになったといわれていますが、しかし「気持ちのつながり」だけで終わらせるのはもったいない。何か具体的な行動につなげていくことができるんじゃないかなと考えます。
今日は一日、どうもありがとうございました。

クロージングにあたり、緑のgooプロデューサーの東さんからは「今日は『エネルギーの共有』がテーマでしたが、皆さんの情熱に触れて『パッションというエネルギーの共有』の方に思わず関心が行ってしまいました。想いのある人たちが集まって全体的にプラス思考で意見が出し合える場があることはとても重要だと思います。是非こういった場で感じたことをいい方向に向けて共有いただければと思います」と感想がありました。

緑のgoo東さん
J-POWER藤木さん
緑のgoo東さん(左)とJ-POWER藤木さん(右)

また、J-POWER藤木さんからは「江戸末期・明治初期には全国で7万以上の村落があり、その一つあたりが60-70戸、300-400人ほどの規模だったそうです。それが現在では合併などの繰り返しにより、一つの自治体がカバーするエリアが広域となり、東日本大震災では支援が及ばず孤立した集落が出来たと、被災地の方に伺いました。孤立した地域では昔ながらの互助の精神を持って、伝統的なコミュニティーの力で生き長らえたそうです。そういう話の中にも、もしかしたら地域の自立を考える上で大事なヒントがあるのかもしれないなと考えさせられました。エネルギーの地産地消を支えていく上でも、そういった互いを思い合う心が必要なのかもしれませんね」と挨拶がありました。


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