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「主要経済国会合(MEM)」 詳細解説

読み:
しゅようけいざいこくかいごう
英名:
Major Economies Meeting on Energy Security and Climate Change

正式名称を「エネルギー安全保障と気候変動に関する主要経済国会合」といい、略称はMEM。主要排出国会合と呼ばれることもある。米国のブッシュ大統領の呼びかけにより2007年9月に始まった。国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の目的を達成するためにCOP3(第3回締約国会議)で採択された京都議定書には、2007年12月現在で176カ国と欧州共同体が締結している。一方で、世界最大の温室効果ガス排出国である米国は同議定書に参加していない。また、同議定書終了後の2013年以降の温室効果ガス削減に関する枠組みである「ポスト京都」については、中国やインドなどの主要排出国がすべて参加することで、世界全体での排出削減につなげていくべきであるとする意見が根強くある。

MEMは、主要排出国が集まって、ポスト京都などの地球温暖化対策に関する情報交換や議論を行い、UNFCCC下における交渉を前進させることを目指す会合だ。参加国は、日本、米国、中国、EU(議長国ポルトガルとEC)、ロシア、インド、ドイツ、カナダ、イギリス、イタリア、韓国、フランス、メキシコ、オーストラリア、南アフリカ、インドネシア、ブラジルの17カ国。第1回のMEMは、2007年9月に米国・ワシントンで開催された。同会合では、2008年夏までにMEM参加国の首脳が集まって、排出削減に関する長期目標などについて合意することや、途上国におけるクリーン・エネルギーのプロジェクト支援のための新たな国際的クリーン技術基金の創設などについて話し合われた。

2008年1月にホノルルで開かれた第2回会合では、2007年12月にインドネシアのバリ島で行われた気候変動枠組条約第13回締約国会議(COP13)と京都議定書第3回締約国会合(CMP3)でバリ行動計画が採択されたことを受けて、長期目標や中期の国別計画、日本が提唱するセクター別アプローチ、技術開発などに関する議論が行われた。また、同年4月にパリで開かれた第3回会合でも、セクター別アプローチや技術協力、資金、措置、土地利用と途上国の森林減少問題などが議題となった。

こうした議論を受けて、2008年7月に北海道洞爺湖サミット(G8)に合わせて行われた第4回目のMEMは、G8以外の主要排出国も参加したことから、ポスト京都の行方を占う重要な会議として注目を集めた。しかし、首脳宣言では、温室効果ガス削減に向けた長期目標について「長期協力行動のためのビジョンの共有を支持する」とされ、日本が主張した2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量の半減を達成するといった、具体的な対策に結びつく文言は盛り込まれなかった。また、中期目標についても、先進国による国別総量目標の設定と排出増のできる限りの停止などが明記されたものの、数値目標の設定など新たな動きはみられなかった。背景には、温度差はあっても温室効果ガスの削減を目指すG8と、地球温暖化対策が自国の経済発展に水を差す要因となると警戒する中国やインド、南アフリカなどの新興国の間での対立がある。第5回のMEMは、2009年にイタリアで行われるG8と同時開催される予定だ。

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