サイト内
ウェブ

「紙リサイクル」 詳細解説

読み:
かみりさいくる
英名:
Paper Recycle

紙の材料であるパルプは、原料の木を化学的処理などによって繊維状にしたものである。一度使用された紙は再び繊維状に戻しやすく、紙は本来、リサイクルに適した循環型資源の典型といえる。

わが国の紙と板紙生産量は約3095万t(2005年)に達しており、アメリカ、中国に次いで世界第3位である。また、この数字は1985年の約1.5倍となっている。製紙業界では、古紙とパルプを原料として、各種の紙・板紙製品を生産している。こうした中、紙のリサイクルは、原料となる木材資源の節約ばかりではなく、大量に廃棄される紙ごみの削減の上でも重要な課題である。日本の製紙業界では、製紙原料における古紙の割合を高める努力を続け、2005年日本の古紙消費量 は約1859万t、60.3%を達成した。古紙利用の主力は段ボールなどの板紙で、古紙利用率は90%に達している。また、紙における古紙利用率は約4割で、新聞紙や衛生用紙などで5割を超えている。

再生紙の生産に際しては、古紙の回収が基盤になる。わが国の古紙の回収率は2000年の57.7%から2005年には71.1%にまで達している(「紙・パルプ統計」経済産業省より)。しかし、防湿・防水加工された建築用用紙や、トイレットペーパー、ティッシュペーパーなどの衛生用紙は回収不可能である。また、紙の繊維は再利用によって弱くなり、印刷用のインキで汚れるなどして品質が低下し、紙の再生回数は4〜5回が限度といわれていることから、これ以上回収率を伸ばすことは難しいとされている。したがって、現在よりさらに回収率を向上させるためには、市民や事業者、行政が紙リサイクルへの意識をさらに高め、こまめに古紙の回収を行うことが必要となってくる。

紙のリサイクルを円滑に回していくためには、市民や事業所などが、まず、資源ごみとして分別回収を徹底すること、そして、消費者が積極的に再生紙を購入、利用することが必要である。(財)古紙再生促進センターが認定する「グリーンマーク」は、古紙を原料に利用した製品であることを容易に識別するためのマークで、原則として古紙を40%以上使用した製品に付けられる(トイレットペーパー、ちり紙の場合は100%、コピー用紙と新聞紙は50%以上)。現在、グリーンマークを表示している製品の数は、銘柄数で約1万5000点ある。紙製品を購入する際は、このグリーンマークを目印に古紙利用製品を選ぶことがひとつの方法である。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。