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「紙リサイクル」 Q&A解説

読み:
かみりさいくる
英名:
Paper Recycle
  • Q: 紙リサイクルの過程は?
    紙はどのようにしてリサイクルされるのだろうか。

    A: 紙の材料であるパルプは、原料の木を処理して繊維状にしたものであり、一度使用しても繊維状に戻しやすいため、紙はリサイクルに適している。わが国における原料中の古紙の割合は、2005年で60.3%となっている。紙リサイクルの過程は、まず古紙の回収からスタートする。家庭や事業所から排出された古紙はちり紙交換、町内会やPTA、地方自治体の資源ごみ回収などを通じて回収され、古紙問屋に集められる。製紙メーカーはこれを購入し、再生パルプの原料とする。
    製紙メーカーでは購入した古紙からビニールカバーなどの異物を取り除き、パルパーという高速攪拌機でドロドロに溶かし、さらに小さなごみなどを除去する。その後、薬品を使ってインクを取り除き、漂白と脱水をして再生パルプにする。この再生パルプを原料にして抄紙機という機械で紙を生産する。
    しかし、リサイクルしにくい紙もある。ステープラーの芯やクリップなどは、比重の差によって比較的容易に取り除くことができるが、シールやガムテープなど、糊のついたものは水を含んで繊維と混ざってしまい、再生処理工程のフィルターを通過するため再生紙の質が低下してしまうという問題点がある。また、カーボン紙、感熱紙、感圧紙、窓つき封筒、アルミ貼合紙、写真、剥離紙なども再生が難しいため、混じらないようにすることが大切だ。

  • Q: 再生紙づくりにかかるエネルギーは?
    古紙からつくる場合と、木材からつくる場合のエネルギー消費量はどちらが少ないのだろうか。

    A: 紙のリサイクルは、原料となる木材資源の節約に加えて、廃棄される紙ごみを削減するためにも重要である。一般的には、古紙を再生する方が製造時のエネルギー消費量は少なくてすむ。しかし、再生品に品質や白さを求めすぎると、繊維からインキや異物を除去することや、漂白するためのエネルギーが必要となり、薬品の量や排水処理の負担も増えるので、その分だけエネルギー消費量は増すことになる。古紙利用製品に品質や白さを求めすぎないことが、省エネを推進する上では重要だ。
    また、木材から化学パルプをつくる過程で、「黒液」と呼ばれるパルプ廃液が出る。かつてはこれを捨てておりヘドロの原因となっていたが、黒液を回収し、濃縮して燃焼させ、その際に発生する熱エネルギーを紙の製造工程で有効活用することによって、化石燃料の使用量を抑制している。一方、古紙をリサイクルする場合は黒液が発生しないため、製造の際に化石燃料に頼らざるを得ない。このように比較してみると、紙の品種によっては、どちらがエネルギーの消費量が少なくてすむかは一概にいえない面もある。

  • Q: 中国の古紙事情は?
    経済成長の著しい中国の紙事情はどうなっているのだろうか。

    A: わが国の紙と板紙生産量は2005年で約3095万トンに達し、アメリカ、中国に次いで世界第3位となっている。また、日本の製紙業界では、製紙原料における古紙の割合は60.3%を達成している。一方、日本の古紙価格を左右するのが、実は中国の紙事情である。なぜなら、中国の原料古紙の大半は日本からの輸入に頼っているためだ。2002年には中国向けの輸入増加によって、日本で使う古紙の価格が急騰する事態が起きている。この理由としては、中国の古紙購入価格が日本よりも高いため、輸送費がかかっても、中国に輸出する方が古紙回収業者にとってメリットが大きいからだ。現在、中国の古紙の消費量はアメリカに続いて世界2位である。

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