行政改革に伴う省庁再編で2001年1月に通商産業省が改編されて発足した。「経産省」と略される。前進である通産省は、第2次世界大戦後の1946年に商工省として復活後、1949年に設置された。経済産業省は、行政改革会議の最終報告の中であげられた国家4機能( 1) 国家の存続、2) 国富の拡大、3) 国民生活の保障、向上、4) 教育や国民文化の継承・醸成)のうち、「国富の確保・拡大」を担うことが期待されている。また、経済産業省設置法によると、1)民間の経済活力の向上、2) 対外経済関係の円滑な発展を中心とする経済と産業の発展、3) 鉱物資源やエネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保を図ること、などを任務としている。経産省の発足にあたり、環境・エネルギー・少子高齢化などを成長要因に転換する、新しい経済構造の実現などを主要政策にあげ、1) 経済構造改革、2) 産業技術力強化、3)内外一体の対外経済政策、4) 環境・エネルギー対策、5)中小企業対策、知的財産保護など、さまざまな政策課題に取り組んでいる。同省自身による紹介文では、「多様な主体が能力を最大限発揮できる経済社会システムの実現に向け、各主体の活動を支えるナビゲーター役」として、さまざまな課題解決に取り組んでいくとしている。また、「企業、地域、個人、NPOなどの多様な主体が、持ち得る能力と可能性を最大限に発揮できるように、経済社会システムを支える制度や技術基盤を整備し、内外の情報を提供することにより、わが国の経済活力の向上を実現」するとも宣言している。同省の所管法令のうち環境関連で主なものとして、 1) 省エネルギー法、2) 化学物質審査規制法、3) 資源有効利用促進法などがある。これらを含めて、環境省などとの共管法令も多い。一方、経済界との結びつきが強い同省は、環境・公害や廃棄物に関する問題で、環境省と対立する場面もある。同省の外局・付属機関としては、1) 資源エネルギー庁、2) 原子力安全・保安院、3) 特許庁、4) 中小企業庁がある。また、多くの公益法人を所管する。