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「モニタリングサイト1000」 詳細解説

読み:
もにたりんぐさいとせん
英名:
Monitoring Sites 1000

環境省は、日本を代表する多様な生態系について、その変化の状況を把握し、生物多様性の保全に関する施策に活用していくことを目的として、2003年から「モニタリングサイト1000」(重要生態系監視地域調査)を行っている。2002年に改訂された生物多様性国家戦略で、質の高い自然環境データを継続的に収集・蓄積する「重要生態系監視地域モニタリング推進事業」として示された。

単年度事業や単発・散発的な調査ではなく、生態系を長期的かつ継続的に観測して得られたデータを分析することで、植生や生物種の変化など、自然環境の変遷を早期にとらえ、迅速かつ適切な保全対策につなげることが可能となる。同省は、全国に約1000か所の調査地点を設置して長期継続的な調査を実施している。調査地点の設置にあたっては、陸域の自然環境を気象や地形の違いにより北海道から沖縄まで10区域に分類している。

また、主な生態系の類型ごとの動向を把握するため、高山帯、森林・草原、里地里山、湖沼・湿地干潟、砂浜、サンゴ礁、島しょ部などについて、調査地点を順次配置している。実際の調査は、生物多様性にかかわる研究者や地域の専門家、多くのNPOなどとネットワークを構築して、その協力と連携のもとにデータの収集を行っている。

調査は、類型ごとに作成されたマニュアルに基づいて実施される。たとえば、磯・干潟・アマモ場・藻場などの調査については、調査対象となる沿岸域の状況や生物の種類、調査の時期と必要な資材、記録方法などが詳細に定められている。調査の実施者はマニュアルに従って調査を行い、調査票を記入する。収集された情報は、生物多様性センターが蓄積・管理し、まとめ次第ホームページなどを通じて広く公開し、5年ごとに総合解析を行っている。

モニタリングサイト1000としての報告書のほかに、甲虫や哺乳類、ガンカモ類、干潟などに関する調査結果が、データファイルとして公開されている。また、2009年にはロゴマークを一般公募し、日本の自然を見守る「目」をモチーフにしたデザインに決まった。

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