環境の状態や汚染の状況などを、常に監視・観察して記録すること。工場や建設現場、道路などで発生する大気汚染物質や排水、騒音・振動、悪臭などが、周辺の自然環境や生活環境に影響を与えていないかどうか定期的に確認することを意味する。たとえば、工場の操業による環境への影響を最小限に抑えるには、排ガスや排水に異常が生じた時点ですぐに運転を休止することが望ましい。そのためには、さまざまな分析機器を煙突や排水口などに設置して、排ガスや排水に含まれる成分を常時監視する日常モニタリングが欠かせない。また、排ガスや排水を採取して、環境計量証明を行う計量証明事業者に分析を依頼することも必要となる。ばい煙などを排出する者は、法律によって施設から排出される物質の量や濃度をモニタリングし、その結果を記録しなくてはならない。
一方、地球温暖化の原因となる温室効果ガスをモニタリングして、排出を抑制しようという動きがある。東京都は環境確保条例に基づき、エネルギー起源の二酸化炭素（ＣＯ2）以外の「その他ガス」をモニタリングして削減計画を事前に策定することを、特定地球温暖化対策事業所に対して任意で求めている。また、事業活動による環境への影響を直接監視する以外に、自然環境をモニタリングする取り組みも始まっている。環境省は2003年度から、生態系の状態を長期的かつ定量的にモニタリングする「モニタリングサイト1000」事業を実施している。
