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「ロンドン条約議定書」 詳細解説

読み:
ろんどんじょうやくぎていしょ
英名:
1996 Protocol to the Convention on the Prevention of Marine Pollution by Dumping of Wastes and Other Matter, 1972 and Resolution

2007年10月2日、日本が「1972年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約の1996年の議定書」(ロンドン条約1996年議定書、以下「ロンドン条約議定書」)に加入することが閣議決定され、同日付で加入書が同条約議定書事務局であるロンドンの国際海事機関(IMO)に寄託された。これにより、同議定書は2007年11月1日から日本についても効力を生じた。同日にはまた、「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律」(平成19年法律第62号。以下「海洋汚染防止法改正法」)も施行された。

IMOは1958年に設立された国連の専門機関で、船舶の安全や海洋汚染の防止など、海事問題に関する国際協力の促進を担っている。ロンドン条約議定書は、廃棄物などの海洋投棄に関する規制を強化するための国際的な取り決めで、1972年に採択されたロンドン条約に代わるものとして1996年に採択され、2006年3月に発効した。もとのロンドン条約は、正式名称を「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」といい、1975年に発効。日本は1980年に加入した。ロンドン・ダンピング条約とも呼ばれる。陸上で発生した廃棄物を船舶や海洋施設、航空機から海洋投棄したり、洋上で焼却処分したりすることを規制していた。しかし、抜け穴が多く実効性が疑問視されたため1996年に改正され、ロンドン条約議定書が採択された。

ロンドン条約議定書には、2007年11月1日現在で英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、カナダ、オーストラリア、中国など32カ国が加入している。投棄してはならないものをリスト化していただけのロンドン条約と違い、投入可能なものをリスト化(リバースリスト)。これにより、船舶などからの投棄が原則として禁止された。例外として投棄が認められる浚渫物や下水汚泥など7品目についても、厳格な条件を満たした場合のみ許可される。また、一部の廃棄物の海洋焼却と、すべての廃棄物の海洋における焼却を禁止した。さらに、廃棄の厳格な管理と環境影響評価を行うための「廃棄物評価フレームワーク」が導入された。

日本は、国内法制度を整備して同議定書に加入する準備を進めてきた。2004年には海洋汚染等防止法の一部を改正して、廃棄物の海域での焼却規制を強化。その後、2006年の同議定書改正で海底下への二酸化炭素(CO2)廃棄(貯留)が例外規定に追加されたことを受けて、CO2の海底下への廃棄に関する環境大臣の許可制度を創設した。これにより、日本もCO2の海底下への貯留に取り組むことができるようになった。なお、従来、海洋投棄が行われてきた主に第2次大戦当時の不発弾については、2010年度末までに陸上処分が終わる予定だ。

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