A: ロンドン条約は、正式名称を「廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約」といい、1972年に採択され、1975年に発効した。ロンドン・ダンピング条約とも呼ばれる。廃棄物などの海洋投棄を規制する国際条約であり、水銀、カドミウム、放射性廃棄物など有害な廃棄物を、船舶や海洋施設、航空機から海洋投棄することを禁止し、洋上での焼却処分を規制した。しかし、抜け穴が多く、実効性を疑問視する声が大きかったため、1996年に改正され、ロンドン条約議定書が採択された。ロンドン条約議定書は、海洋汚染の防止措置を強化するため、投棄してはならないものをリスト化していたロンドン条約と違い、船舶などからの投棄を原則として禁止。例外として投棄が認められる7品目(浚渫物、下水汚泥、魚類の残さなど、船舶や人工海洋構造物、不活性な無機性の地質学的物質、天然に由来する有機物、鉄、鋼、コンクリートや、無害ではあるが物理的影響が懸念される物質)についても、厳格な条件のもとでのみ許可される。また、すべての廃棄物等の海洋における焼却を禁止している。ロンドン条約議定書は2006年3月に発効し、2007年11月1日現在、日本をはじめ32カ国が加入している。
A: ロンドン条約議定書は廃棄物の海洋投棄を規制する国際的な取り決めで、船舶などからの廃棄物の海洋投棄を原則禁止している。同議定書では、海洋投棄を行うことを検討してもよい7品目をリストにしているが、2006年に行われた議定書締約国会合で、二酸化炭素(CO2)の海底下貯留がその例外として認められた。日本は2007年に同議定書に加入し、同年11月1日から発効している。また、国内法である海洋汚染等防止法を改正して、CO2の海底下への廃棄に関する環境大臣の許可制度を創設したため、CO2の海底下貯留を行うことができるようになった。海底下貯留は、地球温暖化の原因物質であるCO2を長期間にわたって安全に貯留できる技術で、温暖化対策として注目されている。