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「水銀」 とは

読み:
すいぎん
英名:
Mercury

水銀は、常温・常圧で液体となる唯一の金属元素だ。元素記号は「Hg」。銀白色の光沢を持ち、多くの金属とアマルガム(合金)をつくる。金属水銀、無機水銀、有機水銀の3種類に大別され、その生体への吸収や毒性は形態により異なる。金属水銀は最も安定した状態で、水にもほとんど溶けない。体温計、蛍光灯、蛍光水銀ランプなど日常生活の中でも使われるが、こぼれると室温で蒸気化する危険性がある。

有機水銀は無機水銀に比べて毒性が強い。とくにメチル水銀は、熊本県八代海で発生した水俣病や、新潟県阿賀野川流域で発生した第二水俣病の原因物質となった。人体にさまざまな中毒症状をもたらし、胃腸炎や強い腹痛、めまい、さらには知覚障害、運動麻痺などを引き起こす。無機水銀には1価と2価があり、2価の無機水銀は腎臓に蓄積し、腎障害を起こす。無機水銀化合物はかつて、消毒剤や殺虫剤として使用されていた。現在は、河川や湖沼など公共用水域中の水銀濃度や、事業所などからの排水中の濃度について厳しく規制されている。

一方、開発途上国などで水銀による環境汚染と健康被害が深刻化している。このため国連環境計画(UNEP)の主導により、「水俣条約」が2013年10月に熊本市で採択された。2016年の発効を目指す。一定量以上の水銀を含む蛍光灯や電池などの製造や輸出入を、2020年以降は原則禁止する。このほかに、廃棄物の適正な管理と保管、大気への排出削減などの規定が盛り込まれた。

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