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「カドミウム」 とは

読み:
かどみうむ

 鉱物や土壌の中などに天然に存在する重金属で、亜鉛鉱石に多く含まれる。元素記号はCd。沸点は764〜768℃で、水銀に次いで最も揮散しやすい金属である。鉄や銅メッキ、塗料、充電式電池など、さまざまな分野で用いられてきた。有害性のある多種多様な化学物質の排出や移動を管理するためのPRTR法では、第1種指定化学物質に指定されている。人間の体内に入ると代謝されず蓄積するため、発がん性などの症状を示し、半減期は腎臓や肝臓で数十年と長い。とくに土壌中に蓄積されると農作物を経て人体に取り込まれやすく、公害事件を引き起こすこともある。カドミウムを主な原因とする公害疾病として有名なのが、富山県の神通川流域で鉱山活動に伴って排出されたカドミウムが米に蓄積して発生したイタイイタイ病である。この病気は、主に更年期以降の経産婦に発症し、カドミウムの慢性中毒で腎臓障害や骨軟化症があらわれ、全身が激しい痛みに襲われることからこの病名がつけられた。FAO/WHO合同食品添加物専門家会議は、カドミウムの暫定耐容摂取量(人が一生涯毎日続けて摂取したとしても健康に悪影響を与えない量として推定されているもの)を、体重1kg当たり1週間7μgまでと定めている。国立医薬品食品衛生研究所の調査によると、日本人の日常食からのカドミウムの1日摂取量は、21.4μgであった。また、WHOによれば、タバコ1本には約1〜2μgのカドミウムが含まれ、そのうち約10%が吸入されるという。

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