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「イタイイタイ病」 とは

読み:
いたいいたいびょう
英名:
Itai-itai Disease

カドミウムの慢性中毒によって発生した公害病。四大公害病のひとつで、富山県の神通川流域で多発した。体内のカルシウムが失われる骨軟化症を引き起こす。このため体のあちこちが骨折し、少し体を動かしただけでも痛むことからこの病名がついた。原因は、神通川上流の三井金属鉱業神岡鉱業所が、亜鉛製錬後に出るカドミウムを含んだ排水を神通川に流していたためだ。汚染された土壌から農作物へカドミウムが移動し、その農作物を住民が長期にわたり摂取して発症した。

この地域では大正時代初期から原因不明の病気が発生していたが、1968年にカドミウム汚染によるイタイイタイ病として認定された。その後、公害健康被害補償法に基づく指定疾病になり、神通川流域の認定患者に医療救済などの措置が実施されている。2013年12月に、被害者団体と三井金属鉱業との間で、全面解決に向けた合意書が調印された。同社が被害者団体に解決金を支払う内容で、公害病認定から45年目にしてようやく解決への道筋がついた。

現在、中国でイタイイタイ病によく似た重金属汚染による症状が見られ、問題となっている。主な発生源は鉱山や工場などと推定されるが、有効な手は打たれておらず、早期の対策が必要とされている。

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