
京都の西陣織が生まれる町として知られ、かつては機織りの音が響いていた西陣エリア。いくつもの京町家が今も姿を残し、穏やかな空気をまとうノスタルジックな場所に、まるでフランスのカフェにいるかような気分を味わえるタルト専門店があります。オーナー自ら現地でセレクトしたアンティーク家具に囲まれながら、店内で生地から手づくりするタルトを味わう優雅なひとときを過ごしませんか。
「cafe cirque(カフェシルク)」は、京都駅から京都市バスで北へ約30分。堀川今出川のバス停を降り、今出川通を西へ徒歩約3分です。らせん階段の奥に見えるアンティークの白い扉が、別世界のようなカフェへの入り口です。
扉を開ければドライフラワーの華やかな香りと、バターのまろやかな香りがふわりと漂ってきます。一歩足を踏み入れた先に広がるのは、ヨーロッパアンティークの家具に彩られた夢のような空間。日本にいながら海外のカフェで過ごしているような体験をしてほしいと、オーナーが小物ひとつひとつまでこだわって仕入れてコーディネートした場所なのだそうです。
コンセプトのひとつは、「お客様が自由に選べること」。フランス語で「サーカス」を意味する店名そのままに、店をかたちづくるすべての要素で楽しいひとときを過ごしてほしいというオーナーの願いが現れています。
店内に入ったらまずは、全て一点もののテーブルと椅子の中からお気に入りの場所を選びます。次に古いミシン台をリメイクした陳列台に並べられた、アンティークのお皿をセレクト。お気に入りを選ぶ時間に心が躍ります。
ショーケースには、毎日9種類の小ぶりなタルトが並びます。タルトの土台となるクッキー生地や、しっとりとしたダマンドなどは全て店内で手作り。トッピングのフルーツやフィリングに合わせてチョコレートや紅茶を混ぜ込むなど、複数頼んでも最後まで味の変化を楽しめるようにしているのだとか。
季節ごとにラインナップは変わりますが、特に人気なのはいちごを使ったタルト。いちごは国産のものにこだわっていて、時期によって異なるいちごの味わいに合わせてメニューを変えているそうです。他にも京都の彼岸山で獲れたはちみつをあとがけする「ふわふわフロマージュのハチミツタルト」(850円)や、宇治抹茶を使った「抹茶ティラミスタルト」(800円)などどれも外したくないものばかり。思い切って一度に3つ頼む人もいるそうですよ。
タルトに合わせるドリンクのおすすめは、約20種類ものフレーバーがそろう紅茶です。グラスに注がれたアイスティーのほか、ホットはポットでサーブされます。こちらも迷ってしまいそうですが、聞けばそれぞれの薫りの特徴などをスタッフの方が丁寧に教えてくれますので、好みのものを見つけてください。
日中はタルト専門店として営業する「cafe cirque」ですが、夜はパスタなどの軽食も食べられるカフェ「ヨルシルク」として営業しています。京都観光の最後に少し気分を変えたくなったら、フランスの風を感じに訪れてみてくださいね。