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「不法投棄」 Q&A解説

読み:
ふほうとうき
英名:
Illegal Dumping
  • Q: 最新の不法投棄対策は?
    ITを活用して不法投棄を防止することはできないだろうか。

    A: IT(情報技術)の進歩を不法投棄対策に活用する動きは、近年、環境省、地方自治体などを中心に進められている。そのひとつが衛星で車の位置などがわかる全地球測位システム(GPS)を使って産業廃棄物の不法投棄を監視する方法である。環境省では、このGPSと電子マニフェスト(管理伝票)などを組み合わせた「産廃次世代移動管理システム」のモデル事業を2005年から導入する。
    産業廃棄物処理は、排出から搬送、最終処分までを行う各業者が、内容物などを記した伝票(マニフェスト)で管理する仕組みとなっている。各段階の業者が伝票をやりとりし、適正に処理されているか確認できるが、偽造されるケースもある。
    環境省が導入するシステムは、廃棄物にマニフェスト番号を記録したICタグをつけ、搬出時にデータを読みとって、それを財団法人・日本産業廃棄物処理振興センターに送信、照会する仕組みだ。情報はセンターで管理され、業者はネット上で廃棄物の状況を把握でき、伝票管理の手間も不要だ。
    一方、搬送車にはカーナビなどに使われるGPS端末を搭載し動きを把握する。車の動きはGPSで、ごみは電子マニフェストでリアルタイムで追跡できるため、不法投棄などの防止に有効と考えられている。

  • Q: 不法投棄の種類は?
    不法投棄では、どんなものが問題になっているのだろうか。

    A: 不法投棄されている産業廃棄物の内訳は、2003年度は建設廃棄物が件数にして445件、全体の約50%を占め、投棄量では約68万トンで約92%を占めている(ただし、この年は岐阜県の中間処理業者による大量不法投棄があり、これを除くと約66%である)。このように建設関係が多い理由は、ビルなどの建物を解体したときに発生する廃棄物を、山野、川原などに不法投棄することによっていた。このため、2002年に「建設リサイクル法」が全面施行され、一定規模以上の建設物の解体工事をする場合には、分別解体と再資源化が義務づけられ、不法投棄の防止策が立てられたが、まだ十分な効力を発揮していないのが数字によっても示されている。
    このほか、一つひとつの不法投棄規模としては大きくないが、環境や人体への影響の面で問題となっているものに硫酸ピッチがある。硫酸ピッチとは、石油製品を製造する過程で、軽油を重油から製造するときなどに出る廃棄物。タール状で濃硫酸を含み、水などに触れると亜硫酸ガスを発生する。硫酸ピッチは通常の事業活動で発生した場合は中和して焼却処理されるが、不正軽油の密造過程で発生したものは、未処理で不法投棄されてしまい、このようなケースが多発している。強酸性で有毒ガスを発生するため周辺の生活環境への影響が大きく、硫酸ピッチの不法投棄や不適正な保管が、首都圏をはじめ全国的な問題となっている。
    環境省は、2004年8月に総務省、警察庁、資源エネルギー庁と合同の連絡会議を設置、不正軽油製造の取り締まり強化につとめるなどの対策を講じている。

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