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「硫酸ピッチ」 とは

読み:
りゅうさんぴっち
英名:
Sulfate Pitch

重油などから軽油を不正に製造する際に発生する強酸性の物質。濃硫酸で不純物を洗浄・除去する処理を行う過程で発生し、水銀や鉛などを含む。また、亜硫酸ガスを発生したり、強い腐食性があったりするなど有毒性が高く、人の健康や生活環境に被害を与えるおそれがある。処理には中和して焼却したり、油分を除去してから埋めたりする方法があるが、タール状で時間が経つと固まってしまい、強酸性のため焼却炉を傷めやすいなど容易ではない。このため硫酸ピッチ不法投棄が全国各地で多発し、社会問題となった。

この対策として、2004年の廃棄物処理法改正により硫酸ピッチが指定有害廃棄物に指定され、保管の上限が20klに制限された。同法に違反して硫酸ピッチを保管・運搬した者には、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金が科される。また、軽油の密造や軽油引取税の脱税を防ぐために地方税法が改正され、密造した法人には3億円の罰金が科されることとなった。さらに、京都市や千葉市などのように硫酸ピッチを規制する独自の条例を制定する地方自治体も現れた。

こうした規制強化が功を奏したのか、不法投棄や不適正保管される硫酸ピッチは減少傾向にある。環境省の調べによると、1999年から2008年までに確認された不適正処理の件数は累計276件、量にして6万9457本で、このうち254件・6万2372本がすでに処理された。また、2008年度はこうした不適正処理が確認されていない。

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