廃棄物処理法に基づき、産業廃棄物の排出事業者が産廃の処理を収集運搬業者に委託する際に交付する管理票のこと。紙製のものと電子マニフェストがある。もとは、船の積荷目録や乗客名簿を意味する言葉だった。また、政党の政権公約のこともマニフェストという。排出事業者はマニフェストを交付することで、産廃に関する情報を処理や運搬を行う者に正しく伝えることができる。また、委託した産廃がきちんと処理されていることを把握でき、不法投棄の防止や適正処理の確保を図ることが可能となる。日本で産廃のマニフェスト制度が始まったのは1990年で、国の行政指導によるものだった。
1993年に廃掃法が改正され、医療系廃棄物など特別管理産業廃棄物の排出者にマニフェストの交付が義務づけられた。その後、不法投棄対策などを理由に同法は再び改正され、1998年12月1日からはすべての産廃について交付が義務づけられた。マニフェストには、産廃の名称、数量、性状、運搬業者名、処分業者名などを記載して、排出事業者、収集運搬業者、処分業者の間で受け渡す。2006年に廃掃法の施行規則などが改正され、排出事業者は伝票を保管して、報告書を都道府県などへ届け出なければならなくなった。
紙のマニフェストは、A票(排出事業者控え)、B1票(収集運搬車控え)、B2票(適正な委託・運搬の確認用)、C1票(処分業者控え)、C2票(収集運搬業者の確認用)、D票(排出事業者の最終処分確認用)、E票(排出事業者と中間処理業者の最終処理確認用)の7枚つづりになっている。B2、C1、C2、D、Eの各票については5年間の保管義務がある。ただし、電子マニフェストを使用する場合は、保管や報告が不要となる。一方、家電リサイクル法や土壌汚染対策法でも管理票が制度化されている。