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「こども環境サミット」 詳細解説

読み:
こどもかんきょうさみっと
英名:
Children's World Summit for the Environment

地球の環境をよくするには、すべての人が環境問題への理解を深め、環境を守るために行動することが欠かせない。そのためには、子どもの頃から、人間活動による環境負荷の大きさを知り、自然を大切に思う心を育てることが大切であり、子どもたちへの環境教育や「持続可能な開発のための教育」(ESD)が、さまざまな主体によって行われている。国連環境計画(UNEP)は、1992年の地球サミットの決議を受けて、国際的な子どもの環境会議「Tunza(Treat our planet with care and affection)」(トゥンザ)を、ほぼ隔年で開催している。トゥンザとはUNEPが本拠を置く東アフリカのスワヒリ語で「愛をこめて大切にあつかう」ことを意味する。第1回が1995年にイギリスのイーストボーンで開かれて以来、ケニヤ、アメリカ、カナダ、日本、マレーシアなどで行われてきた。第7回は、2008年6月にノルウェーで行われる。

こども環境サミット」という言葉は、UNEPの第6回会議として、2005年の愛知万博に合わせて同年7月に愛知県で開催された「こども環境サミット2005」で初めて使われた。サミットは本来「頂上」の意味で、一般的には各方面の首脳が集まる会合だが、こども環境サミットでは、公募や、特定の地域・テーマに関する取り組みが評価されて選ばれた子どもたちが、世界や地域の環境について話し合う。同サミットは、リオデジャネイロとヨハネスブルクサミットのフォローアップと位置付けられ、「持続可能な社会に向けて行動を起こそう」を全体テーマに、参加した子どもたちが次のことを約束した。1) エネルギーの節約、再生可能なエネルギー資源の利用、2) 毎月10本の木を植え、絶滅の危機にある動物製品を使わない、3) 水を上手に貯え、節水し、再利用することができる賢明な方法を学び、伝える、4) 環境にやさしい買い物袋を利用し、すべての廃棄物を分別して、リサイクル・処理し、埋め立てゴミをできるだけ減らす。

一方、子どもが集まる環境サミットには、国やNPO、マスコミなど官民さまざまな主催者によるものもある。実際のサミットのような国際的な催しに合わせて行われることが多く、会議としての連続性より、環境意識の啓発やテーマ性が重視される傾向がある。NTTの主催により1997年12月に開催された「世界こども環境サミット'97」では、マルチメディアを活用した環境への取り組みが話し合われた。また、子どもたちが積極的に環境保全に取り組むための動機付けや、体験プログラムが用意されることも多い。2006年5月に、環境省と内閣府により沖縄県那覇市などで開催された「太平洋・島こども環境サミット」(第2回沖縄こども環境大臣サミット)には、14カ国、2地域で環境保全活動に取り組んでいる青少年が参加。沖縄の離島ごとに任命された「沖縄こども環境大臣」とともに、地球温暖化問題とサンゴ礁、漂流ゴミの問題などについて話し合ったほか、沖縄の自然や文化を体験するプログラムが実施された。沖縄ではまた、NPOなどが主催する「沖縄県子ども環境サミット」も行われている。

2008年には、大手新聞社などの主催により「こども環境サミット」が3月に開催された。7月に開かれる北海道洞爺湖サミットと同じ会場で行われ、全国から集まった子どもたちが環境問題について話し合ったほか、ワークショップなどを行った。また、札幌市も6月に「こども環境サミット札幌」を開く。一方、5月には、環境省やNPOなどの主催による「子ども環境サミット IN KOBE」が、神戸市で開かれる。

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